最近は文具オタク

なにしろiPhone4は完成度が高いというかなんというか。
過去、あれほどPDAを取っ替え引っ替えしていたのがウソのよう。
iPhoneを買ったらとりあえず2年間(つまり月賦に縛られてる間、だけど)、通信・情報端末のことは忘れていられるのはとても楽です。
昨年はAndroid陣営が頑張って、私の周りにも随分とユーザーが増えましたが、まあみんなよくもあんな小難しそうなものを使うよなあ…と上から目線で眺めています。

おそらくこれは90年代前半のMacユーザーが我々Windowsユーザーに向けていた視線とほぼ同じようなものなんでしょう。
その後、Windows業界標準になり、Macは長い低迷期に入っていきましたが、さてAndroidは2010年代のWindowsであり、アップルは再び片隅に追いやられてしまうのか?という考察はまた今度。


さて、デジタル・ガジェット煩悩がかなり収まった私は、最近は文具オタク化してまいりました。
きっかけはやっぱり、前に書いたMOLESKINEでしょう。
スケジュールとTODOはクラウドiPhoneで、資料は可能な限りデジタル化してEvernoteへ。とやっていると、手帳には白い紙がコンパクトにまとまっていればよく、罫線すらいらない。

ただし、将来の保存を考えると形が揃っていて、並べてカッコイイのがいいなあ…。でMOLESKINE
物の本で、そのMOLESKINEをシールやら写真やらイラストやらでかっこ良く書き込んでいる先達の例を見るにつけ、下手の横好きで外国製のサインペンなどを日本橋で買ってきたり、MOLESKINEとペンを携帯するもっとも良い方法を試行錯誤してペンホルダーや小さいペンケースを何種類も試してみたり…。
手帳とは関係ありませんが、書類整理にクリアフォルダーを使ったシステムを構築しようと奮闘したりしています。


そして今、文具道の危険地帯である「万年筆」沼のほとりに辿り着きました(^_^;)

私よりちょっと上の世代は進学祝いに万年筆を贈られたりする習慣があったようですが、少なくとも我が家とその親戚筋にはそんな小粋な風習は無く、万年筆には全く縁のない生活をしておりました。
だから、高校までは鉛筆とシャープペンシル、せいぜい三菱のUniボールペンでした。
大学生になるとちょうど水性ボールペンなども普及してきましたが、私はピグマのミリペンを愛用していました。
社会人になってからはもっぱらボールペンばっかり。ワープロやパソコンを使うことが多くなり、もともと下手だった字はもはや壊滅的に。これから年取ってくることを思うと、手で文字を書く機会をこれ以上減らすととんでもないことになりそうです。

MOLESKINEに書くメモではゲルインキボールペンや、勢いで買った「純正(笑)ローラーペン」などを使っていましたが、50歳にリーチがかかった今年、万年筆とやらを使ってみるかと思い立ちました。


とはいえ、最初っから数万円の本格派は怖いので(だって使い方もわからないので)、文房具屋で見慣れたLAMYを購入。仕事の途中にたまたま立ち寄った経堂の伊東屋に並んでいた「日独交流150周年記念モデル」というのをほぼ4000円くらいで。

LAMY ラミー サファリ フレンドシップペン 万年筆 F L13FS-F

LAMY ラミー サファリ フレンドシップペン 万年筆 F L13FS-F

インクもよく知らないけど、「ブルーブラック」ってのを使えばいいんでしょ?という感じ。

とりあえず会社のデスクでメモ書きに使ってみました。
持ってみると拍子抜けするほど軽く、持ち方矯正用のグリップもちょっと子どもっぽい?
ペン先が鉄製のためか巷間噂される万年筆ならではの「しなり」も感じられません。ボールペンと同じようにガリガリ書いてしまいます。


やはり万年筆を知るには金ペンを買わなければだめかな?と思って、最近本屋さんに並んでいる万年筆系ムックなどを読んで研究(?)してみました。

で、手帳用に携帯するならパイロットのキャップレスかLAMYのDialog3のどちらかが良いんじゃないか?という結論に(性格上、どうしても素直にオーソドックスなところから入門できないヤツです)。
ちなみに価格ではLAMY Dialog3はパイロット・キャップレスの倍ぐらいしますが、ペン先はパイロットが18金でラミーが14金と逆転しているのがこの両者です。
実際に銀座伊東屋で見せてもらいました。
さすがに文具の老舗だけあって、太さの違いも含めて2種類を心よく試し書きさせてくれました。


まずはLAMYのDialog3です。EFといっても日本製のF以上に太く、インクもジャブジャブ出ます。ツイストしてペン先が出ると同時に、クリップが胴に沈み込むメカニズムはカッコイイ!ただ、手帳と持ち歩くには重いかな?ここまでどっしりした筆記具は使ったことが無いのでちょっと不安です。

一方、パイロットのキャップレスはマットブラックを見せてもらいました。
こちらはFで手帳用にぴったりの細書き。Dialog3と比べるとうんと軽く、しかし万年筆らしいどっしりした質量を感じます。試し書きしたところ、タッチも柔らかく、初心者には間違いなく使いやすそうです。
将来のことを考えると、きっともう一度高いものにも手を出す可能性がありまくりなので、今回はコストパフォーマンス重視でパイロットにしました。


そんなわけでキャップレスを使い始めましたが、サファリに比べて万年筆らしい、筆圧のいらない書き味は確かにボールペン類とは全然違います。長年のボールペン生活ですっかり荒れた私の筆跡を少しは矯正してくれるでしょうか?
この道は長くて険しそうなので、慌てずゆっくり探検してみたいと思います。