我がデジタル・ガジェットの最後尾「POMERA DM20」

「いやもう、すっかりデジタル・ガジェットについては欲望が枯れました、もはや人畜無害です。げへへ」というような話を前回書きましたが、昨年の秋にこっそりひとつ買っていたものを最後に白状します。「POMERA DM20」です。

キングジム デジタルメモ ポメラ DM20  プレミアムシルバー

キングジム デジタルメモ ポメラ DM20 プレミアムシルバー


iPad2を買ってからは、パワーポイントの実演がある時以外は会社のPCを持ち歩かなくなっているんですが、その前の十数年間というもの常にサブノート(ときどきネットブック)を持ち歩いていたイメージが定着してしまい、会合などがあるとついつい議事録担当を仰せつかることが多い私。
iPhoneまたはiPadBluetoothキーボードを繋いでも議事録は取れそうですが、どうも私はBluetoothによる無線接続というやつには懐疑的です。立ち上げるたびに接続がおかしくなったり、突然ぷちっと切れたりしますし、iPhoneの電池も消耗が激しくなります。許せるのは休日に使うヘッドホンくらいでしょうか。


また、iPhoneiPadの日本語入力はソフトウェアキーボードで打っている分には「こんなもんだろうな」と諦めがつくのですが、キーボードでガシガシ文章を打ち込むにはちと弱い。それにネットに繋がる端末を使っていると、ついついTwitterFacebookが気になって、地味な文章作りに没頭しづらい(まあこれは私の個人的な問題ですが)。


だったらひたすら文章だけを打ち続ける道具を使えばいいんじゃないか、ということでPOMERAポメラ、いかすぞポ(ry


POMERAといえば、初代DM10が出た時に量販店で触ってみたことはありますが、書いた文書のアウトプットするのにSDカードを抜き差ししたり、PCとUSBで繋いでテキストを取り込んだりするのは「今さらめんどくさいなあ」と思ってパスしておりました。
ところがDM20になったところ画面と保存容量が大きくなった上に、QRコードによるスマホへの文書の受け渡しができるようになりました。あ、これなら使えるかも!


折しも昨年の秋、出張が集中していた時期に「会合の余興の台本書き」という仕事が来て「こんなのは移動中に電車の中でやっつけたい」と思いたったのが運の尽き。たいして下調べもせずにヨドバシカメラで買って来てしまいました。


すると、1ヶ月かそこらで「もうすぐDM100が出るよ」という情報が入って少し凹みました。
ただ、実際にDM100を店頭で見てみると、確かに薄くてこれはこれで携帯しやすそうではありますが、せっかくあの大きさがあるなら液晶をもっと大きくしてくれないとスペースがもったいないじゃん、と思ってしまいました。まあ、液晶を大きくすると初代Mobile Gearになってしまうのかもしれませんけど。そんなわけで「早まったか?」というショックはさほどではありませんでした。値段もだいぶ違うし。

キングジム デジタルメモ ポメラ DM100 ブラック

キングジム デジタルメモ ポメラ DM100 ブラック


さて、使ってみると、予想を上回るでなく下回るでなく、評判通りのものでした。

  1. 電池のもちが良い
    • エネループ正式対応な上に、いつ電池を交換したか忘れてしまうほどもちます。しかも切れたところでコンビニに行って単4電池2本買ってくれば作業が再開できます。
  2. キーボードが打ちやすい
    • もともとサブノート使いだった私には十分なキーボードの大きさです。ファンクションキーも含めてほぼWindowsPCと同じように使えます。
  3. 持ち運びしやすい
    • 軽いし、コンパクト。本当はもっと薄いといいですね。
  4. QRコードEvernoteに登録もできる
    • Evernoteに限らず、iPhoneに専用アプリ(無料)を入れておけば、入力が終わったテキストをiPhone経由でPCに送り、後からワープロで整形することができます。


不満はほとんどありませんが、日本語変換のATOKはいわゆるPDAレベルです。連文節変換ができませんし、語彙もやや乏しい。人名などはけっこう苦労します。例えば「中森明菜(ちょっと他に思い浮かばなかった)」と打とうとすると「明菜」が出ません。「あき」で分節を区切ってスペースを押し続けるといつしか「明き」と出るので確定して「き」を消す。次は「な」で「菜」が出るまでスペースを押し続ける、というちょっと懐かしいワープロ専用機全盛時代のスキルが必要になります。
また、意外だったのがQRコード連携で、これはひとつの文書を長さに応じて最大16個のQRコードに変換してくれる(専用アプリで連続的に読み込めて、とても便利!)のですが、残念ながら編集可能な文字数とQRコードの容量が合っていません。

先日、iPadで録音したパネルディスカッションの文字おこしを行ったところ、7000文字を超えるテキストになってしまったのですが、QRコードiPhoneに吸い出してみると半分位しか送れませんでした。


仕方が無いのでその文書はカットアンドペーストを駆使して3つに分け、それから再度読み取って事無きを得たのですが、まあそのくらいの能力なんだということを分かって使うと良いよ、ということです。