PC昔話 第2話 COMPAQ Contura Aero 4/33

仕事用にノートパソコンも欲しい!

さて、時代はWindows95になったものの、ここで私は今も完治してない「安物買いの銭失い」気質により、思わぬ寄り道をしてしまいました。今日はその話です。


家では"Presario 433"を使っていたのですが、会社でも同じ環境で仕事がしたいなあと考えるようになったのです。しかし、零細営業所に1台きりのPCがWindowsになる見込みは短期的にはありません。
私は、個人的に仕事用ノートPCを購入することを思い立ちました。


とはいえ、当時のWindows95がインストールされたノートパソコンは大変高価で、ちょっと気まぐれで購入できる金額ではありませんでした。だいたい20万円台半ばから上は40万円超まで。しかも価格性能比はハイエンド機の方が有利です。ぎりぎりの性能の安いモデルではあまり幸せになれそうもありませんでした。

やっぱりダイエーCOMPAQ

そんな私にも比較的気楽に買えるノートPCは、やっぱりダイエーにありました。
COMPAQのノートパソコンが10万円くらい(98,800円だったような)。
この頃はさすがに私にも買う前にスペックを調べる程度の知恵はついていました。
調べてみるとダイエーで売っていたノートパソコンは、"COMPAQ Contura Aero 4/33"という代物で、CPUはPresarioと同じ486SX/33MHz、メモリ12MB、HDDが200MB(この辺うろ覚え)、STN方式のVGA液晶を内蔵していました。
http://mobilerev.pixelart.com.pl/image/102.jpg
"Aero"の名に恥じないジュジャーロ風(本当のことは知りませんが)の流麗(?)なデザイン。いわゆるB5ファイルサイズというのでしょうか?角がすべて丸くなっているので、もっと小さく見えました。キーボードは狭かったですが、当時の私はタッチタイピングができなかったので、それ以前の問題でしたし、ポインティングデバイスはキーボード右下のトラックボールとそのすぐ横、ボディ側面にある2ボタンでした。これは慣れれば意外と使いやすいものでした。


私は、このパソコンを最初からWindows95で使おうと考えました。Windows95を使うためには、486DX/66MHz相当以上のCPU(Pentium75MHz以上を推奨)、16MB以上のメモリ、1GB以上のHDD、SVGA以上のディスプレイが必要ということでしたが、Presarioで経験を積んでいた私には、それなりに算段がありました。

厚木へGo!

いざ、決心して土曜日に静岡市近郊のダイエーを回ってみたところ、在庫が見あたりません。「しまった、決心するのが遅かったか」と後悔しましたが、そこであきらめないのがこの頃の私。「大きいダイエーに行けばあるに違いない!」その日は家に戻り、翌朝未明から車で一路、厚木の"Kou's(当時のダイエーの会員制ホールセラー型の大規模店舗)"に向かいました。安いパソコンを買うのに交通費はかけられません。国道1号線と246号線を走って行きました。


これで物がなければあきらめたんでしょうが、あったんですね、これが。
私は注文カードを引っ掴んでレジに行き、オレンジメンバーズカード(入社してすぐにダイエー担当の先輩に言われて作った)で払って、また一般道を走って静岡の自宅に戻りました。

購入後、即Windows95

開封した"Contura Aero"に早速Windows95をインストールしました。もちろんCD-ROMドライブはありません。私はシリアルのクロスケーブルでPresarioと"Contura Aero"を「ケーブル接続」し、PresarioのドライブからWindows95をインストールしました。通信速度が遅かったので、一晩かかりましたがWindows95が無事上書きインストールされました。
この時点で200MBのハードディスクは8割方埋まっています。
すぐさまWindows95の「システム」に入っている「ドライブスペース」で3倍に圧縮。仮想600MBにした上でOffice95をインストール。見事、"Contura Aero"は仕事用ノートパソコンに生まれ変わりました。こんなにうまくいくなんて!


"Contura Aero"でのWindows95は決して使い勝手の良いものではありませんでした。なにせVGAの16色カラー画面ですから凝った画面設定はやっても無駄です。マウスポインタがどこにあるのかもしょっちゅう見失う視認性の悪さ。「画面のデザイン」は標準か、ハイコントラストで壁紙は無し。EXCELはズームで75%か66%にして小さく表示して使います。マルチメディアは端からあきらめます。マイクロソフトが動くと認めていない性能なんですから仕方がありません。それでもMS-DOSで、フロッピーからデータを読み込んで運用する会社の98NOTEよりは何倍も快適でした。
当時は社内横断的にファイルを共有する機会がなかったので、互換性も気にせずに自分用に実績表や販売計画表を作っていきました。


とはいえ、Windows95が世の中の標準になるにつれ、Windows95完全対応のパソコンに対する憧れは日増しに強まっていくのでありました。(第3話に続く)