PC昔話　第4話　NEC mobioNX - 決して悪口というわけではなく

仙台に転勤してしばらくして、私は出張用ミニノートを物色し始めました。
NECがついに多勢に無勢と98アーキテクチャをあきらめて、NXシリーズの発売を始めていたので選択肢が広がっていた時期でした。

小さくて、軽いやつ

さて、そんなわけでメビウスのコンセプト（でかくて全部入り、精細画面）を全く裏返しにしたようなミニノートとして私が選んだのは"NEC mobioNX"でした。

確か、できて間もないヨドバシカメラ・マルチメディア仙台で買ったのだと思います。

OSはWindows98、MMX Pentium 200MHz、HDDは2GB。DSTN液晶のバージョンもありましたが、"Contura Aero"でSTN液晶に懲りていた私は、高価なのを承知でTFTを選択しました。この大きさですから当然CD-ROMドライブは外付け、リカバリーにも使えるNEC純正のCD-ROMドライブも売っていましたが、私はここでケチってバッファローかどこかの安いドライブを一緒に購入しました(伏線)。
Windows98は素人目には95とあまり変わらず(インターネットとマルチメディア系の対応が進化していたのでしょう)。画面はVGAサイズですが、仮想SVGA表示にしてそこそこ快適に使っていました。

標準でポートリプリケータが同梱されており、会社の机で結線しておけば、デスクワークの時にがちゃんとはめて使い、でかけるときにはそこから外していけば良いワケです。私はご自宅用にもう一つ（ACアダプタも)買って、本体だけを持って通勤していました。

単行本くらいの大きさしかありませんから、鞄にはどのようにも入りますし、セカンドバック(当時はまだ持っていたんですよ。バブリーだなあ)にもどうにか入ります。そう、思い出しましたが、一度セカンドバックごと落っことしたら、HDDは無事でしたが液晶が死んだことがありました(割れはしなかったが、画面が表示されなくなった)。私は仙台のNECに駆け込んで保証期間中を理由にタダで交換してもらいました。確か自損は対象外だったような気がしますが、さすが大企業NEC!細かい詮索もせず数日で修理して戻してくれました。

HDDを換装したい

mobioは2GBのHDDを実装していましたが、しばらく使っている内に手狭になってきました。この頃になるとOS自体のサイズが大きいし、1GBくらいのデータはすぐ貯まってしまうんですね。出張も多かったので、やたら色々詰め込んでいたせいもあると思うんですけど。
確か2.5インチのHDDだったと思いますが、ヨドバシカメラに行ったらIBMの4GBのHDDが売っていたので、あ、これ良いじゃんと買ってきました。

さて、家に帰って換装です。ちょうどその前後にPCの内蔵HDDを取り外して外付けHDDとして使えるパラレル接続の機器を友人にもらっていたので、それを使ってデータは移せばいいじゃん、と気楽に作業を開始しました。ハードとしての換装は簡単に終わり、さてリカバリーディスクを使って再セットアップを始めました。ところが…。

CD-ROMを認識しないじゃん！

さっきの話（伏線）ですね。
私はmobio用の純正CD-ROMドライブを買わず、他社の安価なUSB接続のCD-ROMドライブを使っていました。純正のドライブなら起動ディスクから立ち上げれば認識するそうなのですが、私が使いたいのは普通のドライブですから繋いで立ち上げるだけでは認識しません。別のデバイスドライバが要るのです。
そこで私はフロッピーの起動ディスクを改造し、そこにサードパーティCD-ROMドライブのドライバを入れるというちまちました作業を行ったのです。いちどHDDを元に戻してmobioの起動ディスクをコピーして、そこにたぶんDOS用のドライバをダウンロードして入れたのではなかったか？と記憶しています。たぶん今同じことをやれと云われてもできないかもしれません。当時の私のPC知識を総動員して作ったのです。
しかもそれらを全て収めるためにはFDの容量がわずかに足りません。そこで起動ディスク内の日本語フォントを削除して無理矢理1.4MB以内にしました。

そして、再びHDDを換装してFDDから起動、日本語フォントを削除しているので文字化けしている画面で勘を頼りにメニューを選択してCD-ROMを認識させることに成功。後はWindowsと各種アプリケーションを再インストール、外したHDDから前述のパラレル接続の機器でデータ類をコピーしました。

めでたくmobioは4GBHDD内臓マシンとして再び雄雄しく立ち上がってくれました（けど、これで完全に保証外ですね）。

Yahoo!オークションが無ければねえ

こうして、久しぶりに手をかけたmobioNXですが、実は意外と短期間で他所にもらわれていきました。
この頃すでに、インターネットの世界では「Yahoo!オークション」というものが始まりまして、使わなくなったハードはオークションで売って資金を回収する、という新しい無駄遣いの手口が発見されたんですね。

この後私は2台続けて、後から考えるとものすごく無駄でもったいないPC遍歴を辿ることになります。