ポピュラー音楽と資本主義

私と同い年の大学の先生(東京芸術大学音楽学部)が、資本主義社会におけるポピュラー音楽とはどういうものか、というのをレコードと再生機器の誕生以来から現代までの代表的作品を例に挙げながら考察していく本です。

ポピュラー音楽と資本主義

ポピュラー音楽と資本主義

それにしても、2008年の世の中で「資本主義」なんて書名に入った本を読んでいるサラリーマンも珍しかろう。


思えば僕が大学生の頃は、10年以上の時差があったにせよ、大学の空間にはまだマルクス主義とか学生運動の香りが残っていました。入学・卒業式には左翼系自治会長がおよそ場違いながちがちの祝辞になってない挨拶をしていましたし、よその大学では「ロックアウトで試験中止」なんて話題がありました。私のいたサークルは軟弱ではありましたが、とりあえず民主的運営のために何日も風呂に入らずに基調報告を書き続けたりしていました。
フロイトにもマルクスにもかぶれないような大学生はダメ」と誰かが言っていたけれども、実はバブル前夜の我々よりも現代の学生の方が、この手の運動に対する動機を持っているように思うんですが、もはや「連帯」する方法も伝えられていないでしょうね…。
と思っていたら、最近「蟹工船」が売れてるんですってね。確かに八重洲ブックセンターの地下街の店にも平積みされていました。

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

結構若い人が読んでいる一方、民主党の若手議員なんかは「もう通用しない共産主義の本」と歯牙にもかけないらしい。そりゃ松下政経塾では読まない本だろうからね。