「邪神覚醒」の里、奈良県明日香村に行ってきました

週末に仕事で奈良に行って、土曜日の午後になって時間があいたので、ニュース系アカウントのツイートでみかけたキトラ古墳の壁画展示を見に「飛鳥資料館」に寄ってきました。

キトラ古墳は1983年の調査で石室に壁画(玄武)が描かれていることが分かって注目されました。さらにその後の発掘によって東西南北のそれぞれに四神を描いた壁画があり、天井には天文図が描かれていることが判明。しかも漆喰の傷みが激しく、保存が急がれたために、特殊な技術に寄って壁画が剥がされました。
その壁画は取り外しが完了したものから順次(2006年=白虎、2007年=玄武、2009年青龍+白虎のアンコール)公開されましたが、この5月15日からは最後に保存された南壁の「朱雀」を含めた四神が初めて勢ぞろいして公開されている、のだそうです。

さて、明日香村、朱雀、玄武ときたら、「平成ガメラ3・邪神覚醒」を思い出さずにいられませんね(と、誰に相槌をもとめておるのかw)。
映画の設定では前田愛がイリスを育てたのは「南明日香村」となっていますが、そういう村は実在しないので、実際には高松塚古墳キトラ古墳がある明日香村こそギャオス変異体・イリスの故郷でありましょう。

地図で見るとキトラ古墳と1kmしか離れていない高松塚古墳にも四神の描かれた壁画があるそうですが、朱雀は盗掘の際に破壊された壁面にあるため、高松塚古墳では朱雀が確認されてません。先程、「ガメラ3」のDVDで確認してみましたが、「ガメラ3」制作された1999年の時点ではキトラ古墳の朱雀も発見されておらず、前田愛にレクチャーしてくれる親戚の大学生も、キトラ古墳には言及していません。

しかし、平成ガメラから10年の時を経て、明日香村に朱雀が復活したのですよお立会い!

近鉄橿原神宮前駅の東口ロータリーからバスが出ています。平城遷都1300周年のイベントもあってか、観光客が多く、バスもこみますが、20分ちょっで飛鳥資料館に着きます。途中の景色を見ていると、平坦な盆地にポコンポコンと置いたように小さな山があります。あれはみんな誰かの墓なんでしょうか?

さて、飛鳥資料館のバス停で降りて、ソフトクリームを食べながら資料館に向かうと入場制限もなく、500円払ってすんなり館内に入れました。

館内は四神壁画以外にも常設展示の飛鳥京の紹介とか、天文図のうんちく等の記述もあり、「ガメラ」ではよく分からなかった「柳星張」なんて術語(?)の紹介もありました。

お目当ての四神壁画ももちろん普通に見ることができます。
青龍は首の下の一部以外は不鮮明で、想像図と見比べて想像する(変な日本語ですが分かって!)ほかありません。白虎はなかなか鮮明ですが、もともと「白」担当なんで色彩の面白みが無い上に、デッサンが狂ったような画(手前にある顔の右側と遠くにあるはずの左側が同じ大きさで描いてある。小学生が一所懸命描いたみたいなの)です。
一方、(ガメラこと)玄武は足の長い亀と大蛇が組み合わさったデザインがなかなかカッコいいです。
そして真打・(イリスこと)朱雀はというと朱色も鮮やかでほぼ全体を見ることが出来ますが、その姿は手塚治虫火の鳥みたいでちょっと可愛い!これはちょっと悪役を張るには難しいかも。ガメラ製作委員会的には99年までに見つかってなくて良かったかなあって感じでした。

ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 [DVD]

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