もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら/岩崎夏海

先日来、ネットのそこかしこ、あるいは雑誌などで紹介されている本です。ライトノベル風ビジネス書とでもいうのでしょうか?いや、逆か。


病気の親友の代わりに野球部のマネージャーになった女子高生が、平凡な都立高校野球部を甲子園に連れていこうと考え、マネージャーとは何かと学ぼうと手にしたドラッカーの「マネジメント」に書かれた内容を実践していくと…というお話。
私はiPhoneアプリで800円で購入して、外回りの移動中に数日で読んでしまいましたが、普通はダイヤモンド社の本を買って読むことになっています。
iPhoneアプリ版→もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

40過ぎのオッサンがレジに持っていくにはなかなかつらい装丁なので、iPhoneアプリ版があるのは助かりますね。安いし。iPadじゃなくてもページめくりのアニメーション的動作つき。


内容は、えーとまあ、普通に読めます。後半の、なかなかドラマティックな展開には不覚にも電車の中でうるうる(感動というよりも反射ですね)してしまいましたが、話を面白くするためのご都合主義的展開満載。ま、ストーリーがご都合主義的なのは小説仕立てのビジネス書はみんなそうで、「ザ・ゴール」とかでも同じですから、まあいいか。
これだけを読んで仕事に生かそうとするのはちょっと乱暴ですが、「ドラッカー入門」のはじめの一歩としては悪くないのかもしれません。


さて、作者の岩崎夏海という人のことはよく知りませんでしたが、「あとがき」によると秋元康の弟子のような人なのだそうです。「萌え、青春物、ビジネス書」という三題噺をそれらしくまとめる手口なんかは「なるほど、やっぱり」思わせるものがあります。うまいとは思わせても感動はさせないところなんかは師匠の芸風を忠実に踏襲しています。