Palmマシン回顧録その1 IBM WorkPad

WorkPad

不定期になるとは思いますが、これから折を見て、私が過去に使用したPalmOSバイスの数々を振り返ってみたいと思います。
記念すべき(?)第1回は、99年夏ころにヨドバシカメラ郡山店で購入したIBM WorkPadです。PalmⅢを正式日本語版にしたものをIBMのブランドで売っていたものです。
それ以前に日本でPalmを使っていた人は、HACKマネージャーとJ-OSを使わないと日本語が使えなかったのだそうです。お疲れ様でした。
私はそのころ、パソコン・ユーザーの一般教養として、パソコン雑誌(主に「アイコン」=現「週刊アスキー」)を読み、PalmPilotなるPDAの存在は数年前から知っていましたが、「ザウルスのほうがずっと良さそう」と思っていたので、日本語化されてすぐに自分が購入することになるとは思ってもいませんでした。
店頭で実物を見ても、無骨かつ安手のプラスチッキーな、まるでライトバンの内装のような質感。入力エリアにローマ字を書いてもわけの分からない認識をするし、「何じゃこりゃ?」と思うだけでした。
そのころ私は、仙台勤務で、何かの用事で土曜日に郡山に行き、そこでなぜか衝動買いしたのでした。理由は忘れてしまいました。
さて、実際に使ってみたところ、外見はともかく、過去に使ったザウルス等のPDAと比べて非常に優れているところが二つありました。

  1. ホットシンクによって、パソコンとスケジュール・アドレスデータが簡単に同期できる
    • ザウルスもモバイルギアもパソコンとの同期をするには、結構高額なオプションが必要だったり、いざ実行するにも操作が面倒で、時間がかかりました。WorkPadなら、名刺などの入力をパソコンで行い、ホットシンクで流し込む、という作業が簡単かつ短時間でできるのです。
  2. 入力が速い
    • 店頭では「何じゃこりゃ?」と思った手書き認識ですが、グラフィティのカードを見ながら練習したところ、ローマ字入力で手書きのメモとほぼ同じ速度で入力できることが分かりました。ザウルスの手書き文字認識は複雑な漢字をすばらしい精度で読んでくれましたが、ひらがなの「し」、「く」、「(」、「)」などの認識が苦手でした。グラフィティは、最初からローマ字は左、数字は右、記号は別モードと割り切っているため、手間が多いようで、誤認識訂正がほとんどないため、結果として快適でした(確かまだ連文節変換はできなかったと思いますが、それでも快適だった)。

そんなわけで、私とPalmバイスの長い(でも振り返るとまだ5年くらいなんだ。驚いた)付き合いが始まりました。
余談ですが、このころIBM社員の「竹村健一の息子さん」がよく雑誌などに登場してWorkPadについてコメントしていたものです。

こうして、愛用していたWorkPadですが、名古屋出張の際に公衆電話に置き忘れ、そのまま紛失。しかし、重なる出費にめげずにすぐに次なるマシンを買ったあたりから、いよいよ病膏肓にいたる、というわけです(つづく)。