ツイッターノミクス

Twitterと営業」について考えることが多かったので、最近何冊か本を読みました。「ツイッターノミクス(タラ・ハント)」「Twitter社会論(津田大介)」「フリー(クリス・アンダーソン)」など。


どれも面白く読みましたが、最も引かれたのが「ツイッターノミクス」でした。昔懐かし「レーガノミクス」をもじったタイトルは原題ではありません。原題は"THE WHUFFIE FACTOR"と言います。"WHUFFIE"とは(今もMacのスペルチェックで赤線が出ていますが)SF小説に出てくる造語だそうで、金銭(資産)に代わる人や企業・団体の社会的価値であるそうです(元ネタになった小説の中では、金銭の代わりにそれを使って物を買ったりできるらしい)。


拙ブログがそうであるように、ほとんどお金をかけず(インターネット接続と「はてな」の使用料は払ってますが)にテキスト、写真、動画などの情報を発信することが可能である現代において、ネット社会で評価されるには多額の経費をかけることではなく、いかにウッフィー(WHUFFIE)を獲得するかが大事であるよ、ということです。


ではウッフィーを得るにはどうすれば良いか、どのような例があるのか、というのがこの本の内容なわけですが、最初に著者・タラ・ハント氏が要点をひとことでまとめてくれています。

  1. 好かれる
  2. つながる
  3. (さすが、と)一目おかれる

実社会においても魅力ある人物とはこの3つを持っている人でしょう。「営業マンの心得」にもこのまま使えますね。
最近はどうか知りませんが、20年くらい前の新人研修で使われていた「てんびんの詩」というビデオがあります。少年が鍋蓋を売り歩くがどうしても売れず、最後に軒先に置いてあった民家の鍋蓋を無心に洗っていたら、始めて買ってもらえた、とかいう近江商人の話。あれ、ウッフィーですね。


世の中がシビアになってくると、買って、作って、売ってのラインに収まらない仕事というのがどんどん削減されていきます。「損して得取れ」とか「地域社会に貢献する」と言った言葉もどんどん陳腐化していますが、これもうまくやれば「ウッフィー獲得のための最も効果的なマーケティング」に転化することができます。


私の務めている会社は原料を買って、加工して、販売する会社なので、「アトムではなくビット」を扱うIT企業じゃありませんから、当然規模やコスト計算と無縁でいられるわけではありませんが、ウッフィーを増やすための活動は規模に関係なく実践出来そうです。
たとえば今、メディアや店頭などで大規模なプロモーションをやろうと思うと億単位の金がかかり、まさに企業規模で勝負が決まってしまいますが、インターネットをうまく使うことで20倍、100倍の売上の会社と伍してそれ以上のウッフィーを獲得できる可能性がある。
それは我々中小企業の社員にとっての励みになり、少しは明るく仕事ができるってもんです。

ツイッターノミクス TwitterNomics

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