"WEVANGELIWON"面白かった

昨夜、帰宅したらTVで「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」をやっていました。私だって日本で暮らしているのでそういうアニメがあったことは知っているし、かなり以前に、本放送時なのか再放送なのかは知らないがTVを点けっぱなしで寝てしまった深夜に夢見心地で見た奇妙な絵柄のアニメという印象は持っていました。でも、ちゃんと見たのは初めて。


昨日は最初の10分くらい見れなかったけど、その後は全部見ました。私がいつか夢心地で見たのはミサトさんの部屋に主人公が引き取られて、冷蔵庫を開けるとビールがたくさん入っていた、という場面だったということが確認できた。


で、感想。面白かったです。
2年前に書いた「そのタイトルの仮名遣いはないだろう」いうのは撤回しませんが、作品は好きになった。


なにせパトレイバー・シリーズ以降ほとんどアニメを見ていないので、最近の流行りは知りませんが、作り手個人の主張がすごく入った、純文学的な作品だなあと思いました(パトレイバーはおおぜいでよく話し合って作った作品で、その点では反対に見えますね)。
個人の強い思い入れでできていることがよく分かった。


少年の成長物語であるという建前はともかく、厳しい(のか冷たいのか?同じように過酷だけれども星一徹ほど面倒見が良くない)父がいて(最初を見逃したので設定が良く分からないが)母がいない少年の周りに、ちょっとガラッパチなお姉さんと、感情の無い人形のような美少女という、思春期の少年の理想の両極を象徴するような女性が配されるところ。名前は忘れたが主人公が使う火器の安全装置が漢字で表示されていたり、本部のモニター一杯に映るクドい明朝体などの趣味。探すといくらでもあるが、もう一つ書くと「第6の使徒(だっけ?)」のCGで無限に変化する八面体の造形は、新しくも既視感があって、その前にどこかで似たようなものを見たような気がするのだが、それが思い出せないもどかしさ。まるで少年時代に見た悪夢、または抱えていた妄想の世界をモニターで見せられているようで面白くて怖くて気味悪い。
宇多田ヒカルが主題歌で1枚かんだのもその文学性というか、個人の内面へ帰結する作品性を評価したのだろうと思うし、「云われれば乗りますよ」という主人公の真空ぶりに「ああ、君もアダルトチルドレンなんだねシンジくん!」というシンパシーがあったのかもしれない。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (EVANGELION:1.11) [DVD]

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さて2作目は明日にでも映画館に行けば見られるわけだが四十面下げて一人で行けないし、どうしたものかね?