アストロ球団 第9球(後編)〜晴れてアストロ超人は精霊になった

いやあ、終わってしまいました。テレ朝の「アストロ球団」。

夏のボーナスで外付けハードディスクを買い足して、毎週インターネットTVガイドのiEPGをクリックして録画予約。*1木曜の朝にエンコードしてPDAの狭い画面で見続けること18回。1クール完全視聴しました。

さて、前回どのような最終回になるのかを予想しました。
基本的には一番オーソドックスな、アストロの夢を現代の野球選手たちが引き継ぐ、に近いものでしたが、巨人戦の第1球が投げられた瞬間に超人が消えていなくなるというのは意表をつかれました。

しかし、この終わり方はなかなか良かったんじゃないでしょうか?

アストロ超人は、沢村栄治の夢を本人よりも過剰に信じたシュウロが作り出した幻であり、もっといえば野球選手の姿をした精霊だったという解釈です。精霊だから何十メートルと跳ぶこともできるし、鎖骨を折っても新魔球を投げることができる。球七なんて、いかにもいたずら好きな妖精みたいじゃないですか?
そして精霊と戦えるのは同じ精霊もしくは怪物の類であるモンスター・ジョーやビクトリー・ナインしかおらず、実在するもののちょっと現実離れしてる「カネやん」とか「ミスター」が人間の代表として心を通わせたわけです。

そして最後に野球界の現実そのものである川上巨人軍に第1球を投じたところで消え去った、というのはお伽話としてよくできたエンディングだと思うんです。
物語というか精神的なものだけを残して姿を消したことにより、超人たちはすべての野球選手の心に住む存在になりました。古田も上原も、高校球児も少年野球の子も、草野球のおっさんさえも、夢を心に「一試合完全燃焼」する限りみなアストロ超人である。うん、美しいじゃないか!
脚色部分も含め作品として合格、現在の野球界への批判も交えつつのドラマ化は成功だったと云って良いと私は思います。

俺も養老院でビデオ見ながら泣くぞー。

アストロ球団 第1巻 [DVD]

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*1:しかも、深夜枠のせいかiEPGもいいかげんで、次の時間帯のテレビショッピングとセットにされて「球団<>買物」で1時間という予約データになっていることがほとんどでした