Palmマシン回顧録4 Clie S500C

CLIE S500C

記念すべきSONYPalm第1号です。
カラー液晶を搭載したS500Cと、モノクロモデルが同時に発売されたのですが、私はカラーの方を買いました。発売は2000年9月。カラーでかつ標準で日本語が使えるPalmの第1号でした。
その一方で、SONYが参入することで、Palmの世界がいたずらに高機能、高集積度を競争する殺伐とした世界になるのも嫌だなあ、とも考えましたが、元来SONYブランド好きでもあったので、期待と不安が入り交じりつつ、仙台のデンコードーまで車で走って、確か発売日に買ってきました。
S500Cは携帯電話との接続アダプターを標準で同梱した、SONYの意気込みあふれる製品でした。
サイズもWorkPadC3より小さかったのですが、意外と厚みがあり、結果としてWorkPadC3よりも携帯しにくかった印象があります。
私の思うPDAの携帯方法は、望ましい順に

  1. スーツの内ポケットに入る
  2. ベルトクリップで腰につける
  3. ショルダーベルトかストラップでぶら下げる
  4. バッグに入れる

の順番だと思っています(要は手帳と同じように持ち歩きたいんですね)が、その際、同じ体積であれば、多少縦×横が大きくても、薄いほうが有利なのです。
また、バックライトなしでカラー表示可能とされた半反射型液晶画面も、室内程度の明るさだと非常に見づらく、意気込みに対して結果が伴っていないハードウェアでありました。
それでも、マルチメディア対応(動画が見れる)やメモリー・スティックを使った外部ストレージの活用など、過去のPalmバイスにはない(正確には、標準では装備されていなかった)特徴を備え、かつ追加の投資なしで携帯電話につないでメールやインターネット・ブラウズもできる優れたPalmバイスであったことは確かなのですが、できることと快適であることの間には大きな溝があるわけで、「PDAに望まれる機能とはなんであるか?」を考えさせるデバイスでした。
それにしても、この初代クリエのデザインは、その後のクリエ・シリーズにはまったく引き継がれませんでしたね。SONYの悔い改めぶりを表しているんだと思いますが、今思えば使わなくてもコレクションとしてとっておけばよかったなあ、と思います。あの、銀の縁取りはなんだったのだろう、とか。