iPhoneカメラのHDRってなに?

iPhone4は3Gに比べて解像度も高くなった上に動画も撮れるので、仕事で撮影する写真はもうほとんどiPhoneひとつで撮影しています。
贅沢を言えば、もう少しレンズが広角だとさらに使いやすいんですが、かといってデジタルズームは画面が粗くなるから、妥協点としては現状の画角がベストなのかもしれません。


さて、私は毎朝充電を兼ねてiPhoneMacをつないでいますが、木曜の朝にかねて噂のiOS4.1へのアップデートが可能になっていましたので、早速やってみました。
アップデートが完了すると、9月2日のスティーブ・ジョブズのプレゼンの通りホームページに"Game Center"が表示され、さらに標準カメラアプリにHDRというボタンがつきました。


HDRってな~に?


調べてみるとHDRとは"High Dynamic Range"撮影のことのようで、人の目でみた風景の印象に近い写真にするため、明るいところと暗いところそれぞれに露出を合わせた写真を撮影し、それを合成してどちらにも露出が合った写真を生成してくれること、らしいです(本当はもう少し複雑なようですが、素人理解としてね)。


実際に昨日と今日、出張先で撮った写真を全部HDRオンで撮影してみました。


以下作例(?)
いずれも上が通常保存された写真で、下がHDR処理された写真です。
作例1


新潟の豪農・伊藤家宅を公開している「北方文化博物館」の西門を逆光気味に撮ったもの。青空、白い雲が鮮やかに表現されています。

作例2


同じく「北方文化博物館」内、上から見ると三角形になっている不思議な書斎・三楽亭です。
中に入れないので、ガラス窓越しに中を撮影してみました。暗い室内の上に、カメラが接している窓ガラスへ手前の風景がぼんやり映り込んでいます。さらに反対側の窓から見える向こう側の景色が重なるごちゃごちゃした写真です。その、奥の窓外側の風景がHDRでははっきりと見えるようになります。


観光メインじゃないのでw、仕事の関係の写真もたくさん撮りました。
主に訪問した工場内の写真ですが、勝手にブログで公開できません。ちなみにそれらの写真ではHDRオンで写すと蛍光灯のハレーション部分の露出を抑えられ、その一方で普通は逆光で黒くつぶれる部分のディテールが見えるようになります。写し方によっては資料として使いやすくなりますね。


作例3


最後に昨日、宿に入る直前に立ち寄った「彌彦神社」正面の写真です。
白っぽい砂利を敷き詰めた地面と背景の深い緑のコントラストのためか通常撮影画像では碑銘が読めません。しかしHDRでは読めるようになっています。
そのかわり画面の左下の、鳥居を潜ろうと小走りに行く人物が、通常保存の画像では単にブレているのに対し、HDR版では不自然に二重に写っています。多重露光の時間差分がそのまま合成された結果と思われます。よく見ると二重に写るだけでなくシャツの色が違って見えているのがその証拠です。


つまり、動きの速い被写体には使えない、風景写真モードなんですね。目的に合わせて使い分ける必要があります。
また、私の思い込みかもしれませんが、ずっとHDRで撮っていると普通に撮影するよりもiPhoneの電池が早く消耗するような気がします。