GYAO NEXTでガメラを見る

※今更ですが、ややネタバレあり

相変わらずアダルト・コンテンツだけ充実している気がするGYAO NEXTですが、知らないうちに「小さき勇者たち〜ガメラ〜」が見られるようになったのに気がつきました。

おお、おお、1999年に平成ガメラシリーズが一段落した後、2006年に公開されたあれです。上映時間(?)が100分ちょっとということで、「そのくらいなら見ていられるだろう」と思って再生してみました。もちろん、追加料金は発生しません。

で、全編見ました。
基本的に子ども向け、という話は漏れ承っていたので、失望はしなかった。

設定としては、平成ガメラとは微妙に設定がずれており、かといって昭和のガメラともまっすぐ繋がってはいません。
33年前(だったかな)にギャオスを道連れにガメラが自爆して以降、巨大生物(怪獣)被害がなくなっていた日本に、再び忍び寄る海上での原因不明の事故。一方そのころ、三重県志摩半島で少年が拾ってきた亀は、一晩ごとに大きくなり、空中を飛び始める…。

特撮ではCG技術の進歩によってか、33年前のシリアスなガメラ映像は「平成ガメラ」のクォリティから退歩していませんし、主戦場となる現代名古屋中心部の作り込みもたいしたものです。

ところが、いざ怪獣どうしの闘いになると、牧歌的な着ぐるみ怪獣プロレスになってしまいます。その手の映像を40年見てきた私にはもう、ちょっとキツいです。平成ガメラ3でCG化したギャオスとの戦いを見てしまった後、「いくら伝統とはいえ、もう膝を擦って歩く怪獣の戦いは見たくない」というのが正直なところです。
たしかに、CGを駆使したリアルな背景をバックに線画のキャラクターが活躍するのが日本アニメの伝統ですが、怪獣映画がそれをふしゅう、もとい踏襲する必要はないと思う。
さすがに今の子どもだって気づくでしょう?着ぐるみアクションはもう、制作側のオッサンたちのロマンでしかないと思うけど。

それから、夏帆ちゃん(幼い頃に近所にいたおねえちゃん、の面影を上手く体現していましたね)が持っていた「赤い石」を子どもたちがリレーしていく場面は(ご都合主義とは思いつつも)理屈を越えた感動があるのですが、それをガメラ=トトに渡すところで、緊迫した状況でありながらテンポを無視した長い芝居は辛かった。
見る側のリテラシーを相当低く設定したからなんだと思うけど、あそこはスパッとメッセージとともにすぐに投げてしまうべきだったと思う。その前の病院にたどり着くまでにも、立ち止まって、状況を説明して、さんざん会話して、「よし、急ごう」の繰り返し。テンポがいつまでたっても上がらない。
せっかくの機械じかけ、せっかくの子どもの演技、と捨てられないものがいっぱいあったんだろうけれど、そこを泣きながら切ってこその編集だと思うんだけどなあ…。

夏帆写真集 step in 小さき勇者たち ガメラ

夏帆写真集 step in 小さき勇者たち ガメラ