刑事コロンボ17

デアゴスティーニ刑事コロンボを買い続けている話は前にも書きましたね。
今日、17巻・「二つの顔」が発売になっていました。仕事帰りに八重洲の本屋で買って、「報道ステーション」をパスして見てました。

デアゴスティーニAmazonでもリンクが張れないので、既存のDVDのリンクを張ります。


私はこの「二つの顔」の内容をすっかり忘れておりまして(途中の料理番組の場面は見たように思うのだが、筋はまったく覚えていませんでした)、この作品のいつものコロンボ形式との違いに驚いてしまいました。


刑事コロンボ」は倒叙形式ミステリーというのが前提で、いつもならコロンボが登場した時には、犯行そのものは終わっていて、完了した犯罪のわずかな齟齬から犯人が追いつめられて行くという筋道になっています*1


例外は唯一の"Who done it"形式である「さらば提督」だけ、と思っていたのです。ところがこの「二つの顔」も例外でした。もちろん、刑事コロンボですから、犯行の場面はしっかりと最初に提示されるのですが、その犯人は双子で、コロンボも視聴者も、どちらが犯人か分からないままストーリーが展開し、第2の殺人にあたっては犯行の場面も出てこないのです。視聴者は犯人の顔は知っていて、「今日はこいつが犯人か」と思って見始めるのですが、実は双子の兄がいて…というあたりから様子が変わってきて、ラストシーンまで犯人が分からないという非常に凝った作りになっておりました。


もちろん、「いつものパターン」の面白さあってこそのバリエーションな訳で、この巻だけを見て「刑事コロンボってさ」というのはダメなんですが、コロンボ好きを自覚している人にこそ、今一度見ていただきたい作品です。普段買ってない人も今回だけは買った方が良いと思いますよ。

*1:途中で第2の殺人が起きることもありますが、第2の殺人が決め手になるケースは無く、あくまでも最初の殺人のトリックが崩されて犯人が陥落します。