太田裕美白書

昨日、アマゾンから「バブルへGO!!」と一緒に届いたのは、ずいぶん前からウィッシュリストに入れておいた「太田裕美白書」です。DVD注文の時にいきおいでボタンを押したら、そのまま両方手配されてしまったので、まあいいや、と思ってそのまま出荷してもらいました。

太田裕美白書

太田裕美白書

えー、表紙の写真は渡辺満里奈に見えますが、太田裕美です。デビュー間もない頃ですね。撮影は篠山紀信です。


こういう近所に住んでる丸顔の女子大生みたいな路線の顔は常に一定の需要があり、彼女が所属していた渡辺プロの系譜を辿ると、園まり→あべ静江田中好子キャンディーズ)、太田裕美石川ひとみ河合その子→…→中川翔子(?)と拾うことが出来ます。ちなみに渡辺プロは外国人タレントも丸顔が好きで、アグネス・チャンテレサ・テン、アグネス・ラムと拾うことが出来ます。上層部に女は丸顔に限ると思っている人がいるんだと思います。
ちなみに太田裕美泉麻人に「(当時の)ポルシェ・カレラに似ている」と書かれたことがあります(似てるよorz*1)。


今から考えると、純粋なアイドルとして売るにはルックス的に弱く、フォークソングと歌謡曲の間の空白を埋めるという路線を選んだのは、良い戦略だったと思います。世の中の男の子たちが少しものを考えるようになった時に、アイドル歌手なんかに夢中になってられるかよ、と強がりつつも選択肢がイルカとか荒井由美ではちょっとなあという本音の部分を上手く救い上げてくれた人です。アルバムでは吉田拓郎とか伊勢正三とかの曲を歌いつつ、「週刊プレイボーイ」とかのグラビアにもちょっと出て来てくれるというね。私も自意識過剰な方なので、アイドル歌手(当時なら山口百恵とか)が好きとは云えなかったけれど、「太田裕美が好き」の場合は「音楽性が…」とかいろいろ言い訳がしやすかったです。
この本の中(2000年の時点)で、松本隆が「はっぴいえんど松田聖子に比べて、太田裕美の評価は低すぎる」と云っていますが、私もそう思います。たまにNHKが得意な懐メロ番組で「木綿のハンカチーフ」だけ歌って帰るのを見かけますが、本来1時間番組でじっくり作れる素材ですし、太田裕美無くして松田聖子無しなので、心ある制作者が現れて欲しいものです。


さて、この「太田裕美白書」は過去の雑誌記事での発言や、本人の筆によるディスコグラフィー松本隆のインタビュー等の資料が入って税別1905円。ちょっと高いです。内容については、おそらく太田裕美松本隆のオフィシャルサイトを中心に探せば、ネットでほぼ同様のコンテンツを読むことが出来ます。
特にお薦めはしませんが、自分の中の14歳の自分と相談してみてください。

*1:顔を車に喩えられた芸能人は、あと日産フィガロに似ている斉藤清六くらいではないか?