食品の裏側

昨夜、出張から帰って来ましたが、帰りがけに飲んだビールが悪かったのか、軽い熱中症なのか分かりませんが、家に帰ったらものすごく体がだるくなって、食事もそこそこに9時前に寝ました。途中で何度か目が覚めましたが結局今朝9時半まで断続的に眠り続けて、ようやく動けるようになりました。夏バテか?


さて、先日三軒茶屋TSUTAYAで買って来たのは、この本です。

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

昨年から仕事先では話題になっており、おおこれは読まないと、と思っていたのですが実際に本屋に行くと無かったり、忘れていたりしたのを、ようやく思い出して買って来て読みました。
「食品の裏側」というのはもちろん業界内幕暴露的「裏側」の意味もありますが、加工食品を買う時はひっくり返して裏の表示を見てくださいね、というダブルミーニングなのでしょう。
著者は自身が食品添加物商社のトップセールスだった人ですが、我が子が自分が添加物を販売した会社の商品をよろこんで食べているのを見て、「これは我が子に食べさせたいものではない」と気づいて会社を辞めた、のだそうです。そして添加物だらけの食品がこれほど流通している背景として、メーカー、流通、消費者それぞれに責任があることを語っています。


7月25日の当日記カンバン方式ってどうなんだろうという話を書きましたが、今や工業製品だけでなく、食品だってカンバン方式で流通しています。流通業者も消費者も今日注文を出せば昨日と同じ品質の食品が昨日と同じ値段で翌日に届いて当たり前だと思っていて、それで世の中が回っています。
本来、食品の原料は農産物や水産物、畜産物などですから、天候不順が続けば野菜は値上がりしますし、魚だって不漁が続いたら値上がりします。価格の上下だけでなく、絶対量が足りなくなることもあるはずです。
加工食品だって、原料はそういうものからできているのだから、価格が変動したり、原料不足で作れない時があるのは当たり前だと思うのですが、実際はいつも同じ値段でそこにあります。不思議だと思いませんか?
そして、不思議の裏には必ず手品の種があるということをこの本は教えています。


この本で明かされる手品の種が食品添加物です。
食品添加物を使用することで、そのままでは食べ物にならない肉の捨てるような部分だって、添加物を使って整形したり風味を加えることで立派な食品になっていますよ、と。そういう食品で育った子どもはアミノ酸が添加されていない食べ物は味が薄いと文句を言うようになりますよ、と。それでいいんですか、と言っているわけです。
もちろん、食品添加物は法律で認められているものですから、使用していること自体は刑事罰を問われるようなことではありません。だから、こないだ国民的悪役になっちゃった北海道の社長さんなんかも、あんな泥臭いごまかしをしなくても、添加物を上手に使えば法律の範囲内でいくらでもごまかしはできたのに…って笑っている人がたくさんいます。


私がそれに付け加えさせてもらうなら、もう一つの手品の種は輸入食品、輸入原料ですね。
世界中に購入ルートを張り巡らして、価格の安い食料(原料)を買い集めることによって、安定した低価格が実現されています。日本のメーカーが日本の工場で作っているのだから、この食品に使われてる原料は国産なんだろう、と無邪気に信じている消費者が多いんじゃないでしょうか?日本の農業はもう、加工原料に回せるほどの生産量を維持していません。食料自給率40%という、一朝事あれば国民総飢饉に陥りかねない危なっかしい国になっているんですね、美しい我が国は*1

*1:そして、こんな国にまだ「牛肉買え」だの「農産物を買え」と言ってくる国がありますが、いつか来る食料危機になっても、最後まで食料を売ってくれるんですかね、こういう人たちは?