今どきのメールのマナーとは?

一昨日、「はてなアンテナ」に登録してある章仁さんのブログ"pocketbook"で、得意先のメールに「Re:+元タイトル」で返信するのは可か不可か?というような話題でコメント欄が盛り上がって、私も一筆書かせていただきました。
私は「Re:+元タイトル」で返してもらった方が識別しやすくてうれしい、というようなことを書かせていただきました。


Windowsが95だった頃、仕事にメールを使う人は我々の業界では限られていて、お客さんにプライベートのNiftyのアドレスを教えて、それでメールをやりとりしていました。当時はオフィスでもISDNですらなく、専ら自腹で購入したPHSを使ったり、FAXの裏にあるジャックにモデムのケーブルを挿したりして(ビジネスフォンのジャックは規格が違うので、モデムと接続できなかった)ダイヤルアップでインターネットやメールをしていたものです。
当然、今のように大きなファイルをやり取りできる環境ではなく、またメールボックスの容量も何MBとかいう単位でありました。


そんな頃にメールを使っていた人たちというのはお互いにちょっと選民意識があり、パソコン通信メーリングリストにおける「ネチケット」が生きていました。その頃よくお会いしていた大手商社の方などは「タイトルに日本語が使えないんですよ」なんていう環境であり、そう聞いてしまったからには無理矢理の日本語英語みたいなタイトルでメールを送ったりしておりました。


その頃は圧縮もせずに1MBを越えるファイルを添付するとか、長々と全文を引用した返信メールなどは嫌われる元でしたし、機種依存文字をタイトルに入れるのももってのほかでした。機種依存文字どころか半角カナ不可とかね。


それが、月日は流れてWindowsがXPになった頃には団塊世代の方々も嫌々ながらもメールを使い始め、おエラい方々ともメールでコミュニケーションする場面が出て来てきました。で、いわゆる一般のビジネス文書のマナーが少しずつ電子メールの世界にも反映されてくるようになりました。
ですから、今、得意先とのメールのやりとりをするのに改めて考えてみると、「これはどうすれば良いの?」という問題がいくつも考えられます。

  1. 得意先からのメールに「Re:+元タイトル」だけで返信して良い?悪い?
    • 上記の件ですね。私は「原則」可の立場をとります。
  2. 組織や会社を跨いだCCメールは出して良い?悪い?
    • これはもう、個人情報保護の立場から不可でしょうね。
  3. Outlookの宛先に出てくる先方の名前はどうしてる?
    • デフォルトでは「太郎山田」みたいになりますよね(Outlook2003の場合)。「山田太郎?」「山田太郎様?」「明訓(株)山田様?」「明訓株式会社 営業部 山田様?」「明訓(株)営業部 山田部長様?」「明訓株式会社 営業部 部長 山田太郎様?」どこまでやるか、現在も迷っています(私は基本的に後ろから2番目のような感じにしています)。
  4. 書き出しをどうします?
    • 「毎度お世話になります」「いつもお世話になりありがとうございます。ヘッポコ(株)のEkkeです」「拝啓 厳寒の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格段のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。さて〜」「こんばんわ、滝川クリステルです」どうしてます?
  5. 返信メールでどこまで元のメールの引用を付けますか?
    • 全部削除または引用する設定にしていない。
    • 返信に直接関係の無い部分の引用は削除する。
    • そのメールを見れば今までのやりとりが分かるから、一切削除しない。どれも一理ありますよね。


私は電子メールに関しては、あまりビジネス文書のマナーをきっちり持ち込まない方が良いと思っています。今、企業間の通信インフラはISDNADSLの中間くらいの速度が平均かと思いますが、世の中いろんな環境があります。私にはあまり可能性がありませんが、通信インフラの乏しい外国のホテルから音響カプラーを使って超重要かつ大至急な営業報告を送ることだって無いとは限りません。


個人的な目安としては64KのPHSで負担になるようなメールはできるだけ避けたいと考えます。


だからあまり装飾過多なHTML形式のメールとか、1MBを越える添付ファイルとかは避けたい(とはいえ、得意先から指定されたフォーマットがもともと数MBで、しかも商品画像を貼り込んで返信してください、などと云われれば、もちろんそのように返信しますが、それでも少しでも軽くなるように画像サイズを調整したりしますよね〜)と思っています。


そんなわけで、今後もし「メールのフォントは何ポイント以上に指定するのがマナー」とか「失敗しないビジネスメールの常識」の文例に「拝啓 貴社ますます〜」などが定着してしまったら、多少波風が立っても戦っていかなくてはいけないかもしれません。今から先輩世代にはもの申せませんが、自分たちが一番上の世代になった時には、メールの挨拶はこの程度で失礼じゃないよ、と云ってやりたいのです。