"ULTRA BLUE"きたっ!

アマゾンで注文しておいた宇多田ヒカル"ULTRA BLUE"がメール便で届いていました。
今、iTunesに取り込みながら一通り聴いてみましたが、良いじゃないですか!

ULTRA BLUE

ULTRA BLUE


宇多田ネタとしては前々回の"Passion"のときに書いたことと変わらないんですが、とにかく日本のポピュラーミュージックのアーティスト(マイナーな人は知りませんが)でこんなに自分の作家性を前面に出してくる人を知りません。


サウンドもゴキゲン(死語。それも30年もの)なんですが、なにしろ歌詞の強いこと!
集中して聴いていなくても、「え?今なんて言った?」と耳が引き戻されます。慌てて歌詞カードを見て後からなぞったりして…。日本語としては常識的な単語なのに、なんといいますか、絶対値の大きい言葉をうまいこと散りばめてあるので、それがひっかかって聞き流すことができない。
また、"Colors"以降のシングルが全部入っているという事前情報から、よくあるお買い得アルバムになっちゃうんじゃないかと心配でしたが、ちゃんとトータルで大きな作品になっているのがさすがです(ほとんどの曲がノンストップでつないであるのも、良くある手ですが、このアルバムには合っています)。


基本的にこの人は全体像を組み立てて伏線を張っていくのが好きですね。このアルバムでもシングルを柱にどういう曲を絡めたら全体としての形ができるか、と考えているのが良く分かります。また、"Keep Tryin'"みたいに1曲の中でも前半から中盤にかけては抑えて抑えて展開して行って、最後におもちゃ箱をひっくり返したようにしてしまうやり方なんか、好きなセンスです。
彼女のキャリアもかなり長くなってきましたが、まだまだ大きな伸びしろを感じさせます。地肩の強さは天下一品、宇多田ヒカルは今後も長く楽しめそうなアーティストです。