週刊新潮はウソを書いちゃだめだろ

マスコミの話。フィギュアスケートの中継やニュースを担当するアナウンサーは、村主章枝のことをいつか「ふぐりすみえ」と言ってしまうんじゃないかという強迫観念に苛まれているんだ、間違いない。地雷を踏むのは、誰だ?

CMの話。ピップエレキバンのCMで小林幸子が歌う「そこのこりーなのー」のメロディは瀬川瑛子の「のどくろーあめー」とおんなじだから間違えるな!

さて本題。
普段は買わないんですが、電車の移動が長かったのでつい週刊新潮を買ってしまいました。週刊新潮って記事の論調がマンガの中の小市民みたいな感覚で、実際の小市民である私からみても辟易とするところがあるので(金持ちは皆悪人で、サラリーマンは常に金のことで怒っており、売れている芸能人は常に高慢であるが3ケ月経つと皆落ち目になっている等)、あまり読まないんですが、活字中毒なのでつい…。
まあ、マスコミは社会の木鐸(だったっけ?)、権力批判は頑張ってやって欲しいのですが、批判の材料は事実であるべきで、話を面白くするためとはいえウソは書かない方が良いという話です。
今週号(12月29日号)143ページ、"倖田來未「エロ炸裂」で「抗議殺到」必至のNHK紅白"という記事の中で

山口百恵の『プレイバックPart2』の歌詞の「ポルシェ」を「車」に変えさせるなど、これまで紅白の人選や内容に様々な縛りをかけてきたNHK

という箇所があります。
この話は既に都市伝説化していて、先週もバラエティ番組で中年に差しかかった中途半端なタレントさん(名前を忘れた)が同じ内容のことを言っていましたが、これは事実ではありません。
確かに、私自身去年の12月30日にここに書いたように、NHKは放送内で商品名を出さないのが原則のようで、鈴木健二アナが仁丹を「口中清涼剤とでも申しましょうか…」と無理やり言い換える場面なども見ましたし、当時の山口百恵がNHKでは「真っ赤な車」と歌っていたことも覚えていますが、それは通常の歌番組(おそらくレッツゴーヤングとか歌謡ステージ)でのことで、この年の紅白の紅組トリで「プレイバックPart2」を歌った時はきっちり「ポルシェ」と歌っていました。恐らく「今日は特別」という判断が有ったものと思います(山口百恵の暴走だった可能性もありますが、多分話し合いの結果だったと思います)。ですから、紅白では百恵ちゃんは「真っ赤な車」とは歌っていません。よってこの記事の間違いは二つ。

  1. 歌詞を「変えさせる」のは「紅白」に限らず昔のNHKでは日常的だった。
  2. 山口百恵は紅白で「真っ赤な車」とは歌っていない。

どうもマスコミは自分が書きたい結論に話をもって行くために前提となる事実を意識的に間違える癖があるらしく、この辺は週刊新潮朝日新聞も同じです。この記事を書いた記者が何歳くらいの人か知りませんが(多分若い人なんじゃないかと思う)、伝聞を信じ切って良く確かめずに書き飛ばした可能性が非常に高く、記者としての姿勢が緩いと思います。
特に週刊新潮はこの手の捏造・誤報問題について他社に突っ込みを入れる式の記事が多いので、目くじら立てることもない芸能ネタとはいえ、ちゃんと検証した上で記事を書いて欲しいもんです(NHKもちゃんと抗議すりゃいいのにと思いますが、今それどころじゃないんでしょうね)。漫才だってつっこみの方が間違えるとシラケるじゃないですか。