コピーを目の敵にするのは良いが…

最近、また某社のシリコン・オーディオのCMがよく流れていて、数年前までCCCDを売りまくっていた某大物アーティスト様が、何万曲でも持ち出せる、とか仰ってます。あんたねえ…。

CCCDがほぼ消えようとしている今、この話を蒸し返すのは、某PDA用アプリで、販売はSDカードでのみ、しかも使用するときにはPDAにそのSDカードを挿しておかないと起動しない、というのを見つけてしまい、それがどうもにも納得できなかったからです。

確かに、国民的人気を博した作家やアーティストが、金銭的に報われず、晩年は金に困って惨めな最期でした、なんて話は聞きたくありません。だから、国民的に支持されたソフトの作者やメーカーには十分な対価が支払われるべきで、そのしくみは維持されるべきです。
アプリケーション・ソフトの開発には開発費もかかりましょうし、不法なコピーが出回って、その開発費が回収できないと、バージョンアップや新製品の開発もできませんし、最悪そのソフト屋さんが倒産してしまうということもあるでしょう。
でも、一方でPDAやパソコンの世界には、フリーのソフトが相当流通しており、それらのソフトにはコピーガードばっちりのメーカー製ソフトに比べても優秀な物がたくさんあります。
だから、専門メーカーのソフトだからといって、法外に高かったり、使い方に制限がありすぎたりする物にはどうしても厳しい目で見てしまいます*1

最近、多少悔い改めたようですが、数年前にあるアーティスト(上のCMの人ではない)のCDを買って、CLIEで聴こうと思ってパソコンで変換しようとしたら、CDに入っていた再生専用ソフトが立ち上がって、圧縮された専用トラックが再生され、コピーすることができませんでした。こういうのが、ついこの間まで当然のようにまかり通っていたんです。
違法コピーは、そりゃ直接の利害という意味では、売る方にとってない方が良いだろうとは思います。止むに止まれぬ防衛策としてCCCDとかも生まれてきたのだろうと、頭では理解しましたが…。
でも、iPodが成功したら、とりあえずレコード会社はみんな手のひら返したわけでしょう?実際にCCCDの普及とCDの販売はほぼ反比例してしまっていたようですし。

そう考えると、過剰なコピーガードとか、なんでも商標登録とかいうのは、短期では利益を生むのでしょうが、やがて権利関係でがんじがらめになって、その周辺の文化は廃れてしまうのじゃないかなあ。

なんにせよ、正規に購入した人が不便を感じるような保護のかけ方っていうのは避けて頂きたいというのが、私の願いです。

*1:私も引っ越しが多かったので、シリアルナンバーが分からなくなって使えなくなったソフトをずいぶん持っていたものです