聴いておきたいちょっと古い音楽 その2

ロックというのは「生き方」である、という古くからの言い回しがあります。
生き方、とは思想・信条、価値観であり、ファッションや食べ物の好みであったりもします。

そういう意味で、60年代に生まれの私たちの思想、ファッション、好き・嫌いの基準に大きな影響を与えたのが、表面上はロックと反対のテクノポップYMOではないかと思います。
私が大学生だった頃、キャンパスには人民服ファッションの男女が少ないながらも一定数いましたし、なにせこのころから高校生が自主的に髪を短くするようになりました(テクノカットが流行ったからです)。
それまでは、生活指導の先生と、男子生徒の争点は長髪かどうか(耳にかかってるかとかね)だったのが、テクノカットだと過去の基準だと文句のつけようがなかったのです。
僕はやりませんでしたけどね(ただ、眼鏡をかけているせいもあって、床屋に行くとついもみあげは短くしてしまいます←影響か?)。
長髪というのは、さかのぼれば団塊の世代の人たちがビートルズを見て始めたことですから、それが15年ほど続いた天下を、もみあげまでちょん切ったテクノカットが揺るがせたわけです。これはロックでしょう?

まあ、それはさておき、YMOは新しかった。
シンセサイザーの音だけでできてる音楽」なんて、それ以前は富田勲くらいしかありませんでしたから。それも、前衛音楽ではなく大衆音楽でやるなんて、ほとんど例がなく、「ザ・ベストテン」とかを見て喜んでた純真な中・高生にとっては、そりゃもう新鮮でした。
正直なところ、最初に聴いたときは、(今にして思えば細野晴臣の戦略で意識的に加えられていた)チープな中国風味に抵抗を感じましたが、とにかく楽しい音楽でした。「テクノポリス」が好きでねえ…。

イエロー・マジック・オーケストラ

イエロー・マジック・オーケストラ

先週、得意先の2歳くらい年上の人と、酒の席で話をしていて「あなたの話し方を聴いていて、なんか共通する世代の人だと感じた」と言われて、学生の頃にどんなものが好きだったか、という話になりました。
向こうから出てきたのは、「ビックリハウス」「ぴあ」「変態よいこ新聞」
こちらから出したのが、「YMO」「スネークマン・ショー」「三日坊主めくりカレンダー」など。
同じ席には他にも同年代の人がいたのですが、まったく反応できない人も半分くらい。
「こういう話ができるのって、同級生が40人いるとして…」
「15人くらいですかね」で意見一致。
しょうもない80年代サブカル親父の集会でありました。