たぶん、相性というのがあって
例えば一緒に仕事をする上司と部下とか、同じセクションとの同僚との関係。あるいは結婚した後で夫婦がうまくいくか、とかいうこととよく似た話なんですが、情報機器にも相性というのがあるようです。仕事の相棒としては、あまり似たタイプの人間が組んでしまうと、弱点が重なってしまって仕事がうまく進まなかったりしますね。夫婦なんかもきっとそうなんじゃないかと思いますが、私は検証できませんので、ここでは深く追求しませんけど。
さて、情報機器の組み合わせによる相性ですが、ここ5〜6年、PalmOSのPDAとパソコンを持ち歩いて仕事をしていました。Palmの良いところは、
- ボタンひとつですぐに欲しい情報が閲覧できる
- 小型・軽量で鞄に入れずに身に着けていられる
の2点に集約できると思いますが、弱点として
- 大きなデータを閲覧するのがマシンパワーの面でも画面の大きさの面でもつらい
- 単体で通信ができない(無線LANなどは「場所によっては」使えますが)
ということにありました。一方、ノートパソコンの長所はなんたってパソコンなんで、
- パソコンとしてできることは何でもできる
ということなのですが、
弱点として
- 出先でぱっと情報を閲覧・編集することができない
- 電源の無いところで長い作業をするのが不安である(この点は、最新のモデルはかなり改善されているようですが)
お互いの弱点・長所が補完し合い、よいコンビだとは思いますが、問題点として、
- やっぱりパソコンの出番だ、と鞄から出してから実際にデータを表示するのに時間がかかる
- 別に通信手段として、携帯電話を持たなくてはいけない
- そうすると荷物が重い。ほかに紙の資料も持っていくし
ということになっていました。
じゃあ、パソコンは事務所においていけばよいかというと、Palmと携帯電話だけで出かけると、Officeソフトのデータが必要になったりして、狭い画面でDocument To Goなどで転送したファイルを開くのですが、動作が重たい、一覧性が悪い(例えば商談相手などに見せて、理解を得るのが難しい)、といった場面に出くわすことになります。
では、今のシステムである702NKとSigmarionⅢの組み合わせだと、
- 702NKの長所
- 携帯電話なので、単体で電話・メールができる
- PIM機能がほぼPalmと同等のレベルである
- 702NKの短所
- 画面が狭く、Officeソフトのファイルの閲覧はつらい
- SigmarionⅢの長所
- パソコンに比べて段違いにすばやく起動し、長時間使える
- 800×480ドットという一昔前の大型ノートPC並の画面があるため、Excelの表などもストレス無く開けて、編集もその場で可能
- 相手が少人数なら、これでプレゼンも可能
- SigmarionⅢの短所
- PIMとしては動作が遅く、ストレスがたまる。まず開くのが面倒だし
- パソコンと比べるとなんでも快適にできるわけではない
ということになります。
ただし、SigmarionⅢの短所の最後の部分は、「外出先でそこまで要求される場面があるのか?」ということで、無視することもできます。
おかげで、4月以降、私のノートパソコン(携帯性を重視してLet's NoteのR1を使っていますが)は外回りのときはほとんど机に置いていってます。
上の4つの長所・短所がうまく補完され、かつPalmとパソコンと携帯電話を持ち歩いていた頃に比べて、はるかに楽で、かつ仕事もそれなりに進んでいます。これにA5サイズくらいの手書きノートと、その日のうちのTODOリスト用にポストイットの大きめなものを持ち歩いています。
ちなみにプレゼンに関していいますと、私の今の仕事の一部で、同じ商品をいろんなところに行って30分〜90分の説明会をする、というのがあります。同業他社さんの中には、同じことをPowerPointで作成したスライドをプロジェクター持参で上映するところもあります。
でも、私は先方にテレビビデオを用意していただいて資料映像を見せ、A1サイズの資料を壁面に貼り、黒板またはホワイトボードに字を書きながら説明する(ケーシー高峰の漫談みたいにね)、というやり方で、「分かりやすい」と評価をいただいています。
そんなわけで、私の営業鞄は全部パソコン対応なんですが、実はパソコンが入ってないことが多い、という話でした。