弘前出張報告

金曜日に弘前に行ってきました。もちろん仕事です。


それでも忙中閑ありで、お昼に向こうのお客さんの案内で「津軽藩ねぷた村」に連れて行ってもらいました。
弘前城のすぐ横にあって、「ねぷた」のでっかい灯篭と工芸品などが並んでいて、食事もできます。入場料は500円。


入るといきなりド迫力のねぷたが展示されています。

昔の小じんまりした灯篭もあります。

金田一さん事件です↓


一番奥の「山絃堂」には津軽三味線が展示してあり、「帰省中のイケメン演奏者」であるところの葛西頼之くん21歳が生演奏と解説をしてくれました。

今、三味線には3種類あって、いわゆる普通の三味線、沖縄の三線津軽三味線津軽三味線は棹が太く、皮は犬。上から皮に向かって叩くように演奏します。左手のハンマリング・オン、プリング・オフを多用した速弾きは、ロックのギターソロによく似ています。私の目には左手はエレキギター、右手はチョッパーベース、に見えます(実際にはバチで上からたたき、返しの裏ピックがあります)。


叩くのは、門付けで家の外から演奏しても聞こえるような大音量を出すため。速弾きは、寒い中で演奏すると手がかじかむので、指を早く動かす奏法になった。また、寒い中でしっかり握って演奏できるように棹も太くなった、のだそうです。
昔は、そうした「門付け」をしては米をもらい、一升瓶いっぱいに貯まったら、それを代金にして宿に泊まるという暮らしをしていたのだそうです。


さて、楽器としての津軽三味線にはピンからキリまであるそうですが、葛西くんクラスの奏者が使うのは数百万円の楽器。三味線には指板が無いので、使い込んでいくと指が当たる部分がでこぼこになる。定期的に棹を削って調整していくので10年くらいで使えなくなるそうです。
だから常に使える楽器を何本か手元においておきたいんだけど、使う材料も吟味しなければならず、良い三味線は供給不足とのこと。そうなると財力の勝負になり、当然有名演奏者がたくさん買い占めている上に、最近は定年退職した団塊世代が趣味で使う楽器にその手の数百万円クラスの楽器をポンと買ってしまうので、自分たちが欲しい楽器をなかなか買えないらしいです。
「車と三味線をローンで買ったら、車のローンは終わったけど楽器のローンは終わってない」と笑っていました。見た目は渋谷あたりにいるあんちゃん風ですが、中学生の頃から内弟子で修行した彼は、話し方も丁寧なナイスガイでした。全国をツアーで廻っているそうなので、私も東京でチェックしよう!