IKEAでベッドサイドテーブルを買う

5月に買ってきたサンコ- チェアDEスク CHAIRDE01にMacBookをずっと載せていたのだけれど、取り付けたメタルラックの柱がチェアDEスクの設計に微妙に合わず、アルミテープなどをスペーサーにして無理矢理運用していました。しかしほぼ半年を過ぎたところで結局無理な締め付けによりコンタクト部分がねじれ、使い物にならなくなりました(いつもMacBookが首を傾げており、ついには空中で保持できなくなってしまった)。


そこで「キャスター付きサイドテーブルのようなものにすれば宙に浮かんでなくても良いのではないか?」と考えました。さて、どこに買いに行くか、と考えて思い出したのが7月にi手帳の話を書いた際におとずれたIKEAです。たしかその手のものが安価で並んでいたはずです。


とはいえ新三郷までは遠過ぎるので、IKEAのホームページ→http://www.ikea.com/jp/ja/ で調べたところ、いつものレンタカーでのお買い物コースからちょっと足を伸ばせばIKEA港北があることが分かったので、レンタカーも気合いを入れてラクティスをチョイスしてでかけました。


さて、到着してみると休日だしもっと大渋滞になっているのかと思いましたが、意外とすんなり駐車場内に入れました。ただし入ってみると誘導員はおらず、空車表示だけを頼りにあてずっぽうでほぼフロアを1周してようやく駐車完了しました。
長いエスカレーターを下りて1階に行き、ホームページで予習した通りエントランスで鉛筆とチェックシートを持って、2階のショールームへ。


結果、7000円弱のキャスター付きベッドサイドテーブルを見つけて商品名と棚番号をメモ。1階に下りて消耗品をいろいろ見物し、最後のセルフサービスエリアでトロリー(台車)を押して、棚番号を目印にピッキングに向かいます(この辺で物流センターのバイトをしている気分になります)。目当ての商品を引っ張り出し、台車に乗せてレジに行き、お金かカードで払えば買い物終了です。


IKEAはフードコートも破壊的に安く、ホットドッグ100円、ドリンクバーを付けても150円です。近所にあったら給料日前は晩飯に通いたいくらい。当然ごったがえしており、老母を連れての食事をしたくなる感じではなかったので、大型エレベーターに台車5台くらいで相乗りして駐車場に戻りました。


夕方、自宅に戻って早速組み立ててみました。

ドライバーは自前で用意する必要がありました(あと、ゴム製のげんのう等があるとやりやすい。私は無しでやってしまった)が、部品の過不足も無く、説明書も図と数字だけで十分理解できるので、問題なく組み上がりました。通販の組み立て家具でよくある、木工ボンドで軸を固定する、という工程が無く、金属製の軸と軸受けを多用した組み立ては慣れれば早くて簡単です。


私は一人暮らしなので、今年の夏までIKEAの情報をほとんど持っていませんでした。会社の同僚の妻帯者は以前から行っていたようです。
今日、初めて買い物に行き、いわゆるカテゴリーキラー的プライスカードの額面(79円とか59円とか、あるいは食器18点セット1990円とか)に目を奪われるのと同時に、日本のホームセンターでは見かけない品揃えにはカルチャーショックのようなものを感じます。


カートを押しながら広大な店舗を徘徊させられる、というのはかつてダイエーハイパーマートやKOU'S、あるいはカルフールでも経験しました。欲しいものを買うために敷地の向う側まで歩くのか、という絶望的な広さに気分が萎えたものですが、その点IKEAはよく考えられています。広大な店舗をいっぺんに視野に入れない、一方通行のショールーム型にすることで「あ、なんだこれ?こんなものも売ってる!」と冷やかし半分で歩いているうちに疲れも感じずに店舗のほとんどの商品を見せられてしまいます(しかもカテゴリー分けされた各ルームの中で唐突に犬のぬいぐるみなんかが置いてあって気持ちをリフレッシュさせる演出がある)。
自分の欲しい物を鉛筆でメモし、見上げるような商品ラックの中から探す作業も本来なら店の人件費削減分を押し付けられた味気ないことのはずなのが、なぜか宝探しでもしているような気分にさせられるます。店全体がテーマパークであり、買い物がエンターテインメントとなっているのです。


ただし、個々の商品をじっと見ると「これで日本の消費者が納得するのかな?」と思うものもあります。例えば消耗品に近い皿とかグラスとかキッチン用品(ざるとか)などは、成形があまりスムーズでないし、全体に持った感じが重くて分厚いと思う。一方、プラスチック製のものは「いかにも私はプラスチックです」と開き直ったような質感。
太陽電池を使った2500円くらいの小型スタンドのスイッチは、日本からは昭和の時代のうちに無くなった、昔のラジオのようなものが使われています。店の雰囲気でついつい買ってしまったお皿を自宅のキッチンで出してみたら、がっかりするようなこともあるんじゃなかろうか?


別の視点で見れば、IKEAは環境や安全というものに対しての配慮もアピールしており、重箱の隅をつつくような仕上げの細かさや高級感の演出を追うよりも、基本デザインの良さと質実剛健さを重視していて、現代においてはそういうものを選択する方がオシャレである、という主張があるのだろうと思います。


日本のIKEAがどう成長して行くのか観測して行くことが今後の日本の消費トレンドを読みとるひとつの指針になるかもしれませんね。