本命は電気自動車、らしい

以前、地球温暖化はウソか本当かという話を何回か書いた時に、「お勉強」のために聴き始めたポッドキャスト「ムラサワ・レター」というのがあります。村沢義久 - ムラサワ・レター/TALKSHOW - ムラサワ・レター/TALKSHOW
紹介サイト→http://www.castalia.jp/podcast/573


先日、レンタカーで2代目プリウスに初めて乗った話を書きました。今年、2009年はまさにハイブリッド車元年ということになりそうな世間の反応ですが、「ムラサワ・レター」によると、次世代の自動車の本命は電気自動車だ、と云っています。ハイブリッド車は今まで水生動物だった自動車が陸に上がり始めた両生類的存在であって、過渡期の存在である、と。エネルギー効率だけで考えればガソリン車、ハイブリッド車は電気自動車に比べて劣り、電気自動車はたとえ元の電気が火力発電のものだったとしてもCO2排出量は1/3であるとのこと。


そして今日、三菱、スズキに続いて日産が電気自動車を発表しました。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090802/biz0908022040005-n2.htm
今現在の電気自動車の弱点は価格が高いことと航続距離が200kmに満たないことです。


価格については本当に量産効果によるコストダウンが進むまでは普及を目的にした公的補助が必須でしょう。一方、航続距離については考え方次第で、実際私がレンタカーを1日借りて東京23区+川崎〜横浜あたりを走った場合、100kmも走ることはほとんどありませんから、実は160kmくらいがコンスタントに走れれば日常の生活には問題ないものと思われます。
あるいは今一段のブレイクスルーによるバッテリーの大容量化が実現されるまでは、出かける時に満充電しておき、バッテリー残量が少なくなった時には内蔵発電機をエンジンで駆動して航続距離を延ばすやり方もアリだろうと思います。アメリカや中国で開発されているのはその手のハイブリッド車なんだそうです。


かつて日本の産業は既存の技術を職人的拘りをもって磨き上げることで競争してきました。例えばカセットテープという規格があると、メディアのケースと同じ大きさのプレイヤーを作り、60dbのダイナミックレンジやワウ・フラッター0.09%なんて性能を持たせてきました。そして世界のトップに立ったと思いきや、いつしかテープもモーターも使わないメモリープレーヤーの時代が来てしまいました。


トヨタプリウスは、エンジン駆動とモーター駆動を、他の追随を許さぬ複雑さで制御していますが、電気自動車や発電機付き電気自動車は、過去のガソリンエンジン車を開発・生産するための高度な技術は必要なく、今のWindows PCのようにありものの部品をアソートすることで製品開発ができるようになるそうです。
エンジン走行がメインの、今のハイブリッド車については、トヨタとホンダを擁する日本の勝ち、と思いますが、実はこれが「エルカセット」のようになる可能性は意外に高いでしょう。


例えばアメリカ連邦法で「エコカーは優遇するが、モーター駆動以外の動力を使う自動車は(いや、内燃機関の駆動力を車輪に伝える形式の自動車は、かな?)エコカーと認めない、優遇もしない」と決まったらプリウスはいくらか燃費の良い小型車としてしか存在できなくなってしまいます。


それでもトヨタがこの形式に拘っているのは、一足飛びに電気自動車の時代を来させてしまうと、せっかく世界一になった従来型自動車の生産技術とバイイングパワーによって利益を享受する時間が短かくなりすぎると思っているから、とも考えられますね。