容疑者xの献身

※大丈夫だと思いますが、微妙にネタバレあり※

スーパーあずさは煙草も吸えないし、時間は長いしで、暇つぶしのともだちが必要でした。


もちろん、iPhoneなんていうのも最高の暇つぶしの道具なんですが、バッテリー容量が不安でネット繋ぎまくりというわけにもいきません。そこで読書です。
読まなきゃいけない「環境問題のウソ(池田清彦)」「"環境問題のウソ"のウソ(山本弘)」「手にとるように地球温暖化がわかる本(村沢義久)」も抱えているんですが、神経症の発作が起きそうなので小説の方が良かろうと、八重洲地下街で文庫本で売ってるのを見つけた「容疑者xの献身」を持って行きました。

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

なんだ、福山雅治で映画化されるんだ。ドラマの「ガリレオ」は1回だけ見たことがあります。


映像化の話はさておき、あずさで往復する間に全部読んでしまいました。面白かった!さすが2006年の直木賞をはじめとする各賞受賞も頷けます。
刑事コロンボ」や「古畑任三郎」でお馴染みの、犯人が最初から読者に分かっている倒叙形式です。「刑事コロンボ」の犯人が、金の亡者だったり鼻持ちならない権力者だったりするのに対して、「容疑者xの献身」ではもっと読者が犯人側に感情移入するように作られています。
そして本気で犯人たちを心配しながら、でもいつか来る発覚の時をドキドキしながら読み進めるわけです。しかし、この作品はそれでは終わらず、前半で提示された事件の部品を探偵側が拾い集める緊張感だけではなく、犯行の全容を知っていたはずの読者も実は騙されていることが最後に明かされます。
私もなんで「あれ」がズバリ書いてないのだろう?と思いつつ、流して読んでおりました。こういう「作者がしかけるトリック」はミステリ原理主義で考えると「ルール違反」すれすれ(嘘は書いてない)ではありますが、なにせアガサ・クリスティっていう偉大な先達がいるので、それもまたミステリの一作法として認められるものだと思います。


ところで、今映画の方のサイトhttp://yougisha-x.com/を見てきたんですが、石神が堤真一かあ…。
イメージ違うなあ。まあ福山雅治と対決する画づらもあるんだろうけど、第一にかっこ良すぎるし、石神の持ってる不気味な部分も堤が出す不気味さとは方向が違う気がする。
温水洋一木村祐一あたりか…、あぁ、渡辺徹があと5歳若かったらはまると思うな。