未来にはデブもハゲもいないんだ

4月になって、私が忙しさにかまけてちょっと更新をサボっている間にも、新年度を迎えた世の中は激動していました。
1日には、母から「パパの保険証が来ない」と電話があり、結局は例の「後期高齢者医療制度」が始まって、保険証の体裁が変わっていたためだということが分かったが、病院の事務員すらそれを把握していなくって「これじゃなくて保険証を持ってきてください」と言われた、というのがオチでした。


そうかと思うと、会社の総務部からはメタボ健診こと「特定健診・保健指導」が始まるよ、とお知らせが来ました。これって、一度引っかかった後で改善がみられないと懲罰的扱いを受けるらしいですね。あー怖っ。


以前、BSマンガ夜話で「ブルーシティー」の回を見ていたら、岡田斗司夫が登場人物たちが着ているぴたぴたなユニフォームのことに触れて、「未来にはデブもハゲもいないんだ」と話していましたが、今の厚生労働省がやろうとしていることって、どうもそういうことらしい。

BLUE CITY (ジャンプスーパーコミックス)

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おそらくこのまま一世代くらい時代が進むと、日本人は石津嵐のノベライズ版「宇宙戦艦ヤマト」に出てくるガミラス人のように、やたら端正な容姿で体の丈夫な人間ばかりになるでしょう(たまにいる醜男は、ギャグがつまらないという理由で総統または有田君のスイッチによって床下に落とされる)。

宇宙戦艦ヤマト (ソノラマ文庫 4-A)

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先天的にせよ、本人の習慣によるものにせよ、健康増進に反する存在は「劣等民族」または「不穏分子」として抹殺されるか、良くて別枠の管理下に置かれてしまうのでしょう。しかも表向きでは反対のしようがないところが質が悪いです。ファッショってこうやって始まるんですよね。

厚労省が喫煙者を攻撃したとき、私は喫煙者でなかったから何もしなかった。
ついで厚労省は肥満者を攻撃した。私は太っていなかったから何もしなかった。
ついで老人が、病人が、フリーター等々が攻撃された。私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった。
厚労省はついにハゲを攻撃した。私はハゲだったから行動した—しかし、それは遅すぎた。/マルティン・ニーメラー