あーあ、週刊文春までも…

代休あけからまたちょっと忙しくなりまして、しかも土曜日まで東北に出張に行っていたので更新が出来ませんでした。ていうか、一人の時間が作れれば705NKからでもできるんですけど、正味の仕事以外でも同行した人たちとずっといっしょに行動していた(つまり、深夜まで延々と飲んでいたり、ですね)ので、力尽きて寝ていたわけなんですけどね…。


さて、私が忙しい隙を縫って、今井舞がいよいよ伸して来ています。由々しき事態です。
私は昨年からこの日記で警戒を呼びかけているのですが、サブカル好きな週刊朝日はもはや処置無しと諦めるにしても、よりオジサンの保守本流に近いと思っていた週刊文春までもが11月1日号(今、売ってるやつ)で"秋の新ドラマ「あ〜つまらん大賞」発表"と題して今井舞に3ページ渡して、秋のドラマの感想文を書かせています。この企画は奇しくも仇敵週刊朝日が今年の春先にやっていた"毒出し批評「ドラマ冬将軍」"の秋版になっています。一体この2誌、仲が良いのか悪いのか?

週刊文春も去年の秋頃からワイド特集の一部などに今井舞を起用していて、かなり浸食されていることは知っていたのですが、とうとう週刊朝日並に彼女に紙面を渡してしまいました。ちなみに今回が初めてではなく、数週間前に花田一家について書いた毒にも薬にもならない文章があったんだけども、忙しくて黙殺してしまいました。季節柄年末年始の特番に向けて、またぞろヌルい企画が進行している(「年末特番めった斬り!」とか「泥舟紅白で泣いた人、笑った人」等)と思われるので、読者の立場から一言申し上げておきます。


今井舞さんは、芸能人やドラマや歌番組の批評文を書いていますが、取材はしません。テレビを中心にしたメディア情報を収集(見たり読んだり)して、その情報を元に書いています。このやり方は古くは森茉莉やおなじみナンシー関と同じであり、特にナンシー関はそんな自分の立場について「顔面手帖」で丁寧に説明をしています。

ナンシー関の顔面手帖 (角川文庫)

ナンシー関の顔面手帖 (角川文庫)

ベスト・オブ・ドッキリチャンネル (ちくま文庫)

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素人と同じ情報源から商品として通用する批評を書こうと思ったら、当然見る眼力(がんりき)と表現する技術が必要です。今井さんは相変わらずその力量が進歩していません。バスの中で女子高生が友だちと喋っているような内容をわざわざワープロで打つ、それ以上の仕事をしていない。


今週の文章では、例えば38歳にもなるオッサン、福山雅治に対して

何であそこまで騒がれるのかさっぱり分からん。分からんが人気があるんだってね。何で?

「あいつ、なんで人気あるの?」って、日本中の年寄りがテレビを見ている娘や孫に向かって毎日言ってることでしょ?その先を書け!しかし、今井さんはそこから答えを見つけに行くわけでなく、「ガリレオ」の枠組みに話をずらして行き、しまいには

とりあえず今現在、ドラマとしての値幅キープは出来ている

と褒めて終了。なんだそれ?


一事が万事こんな感じで、結局この記事は最後に「ハタチの恋人」での明石家さんまの演技に対して、本人の力量低下と脚本・演出の稚拙さをごちゃごちゃにした底の浅い悪口を書いたところで規定の字数に達したらしく、あたふたと終わるんだが、タイトルで大書してある「あ〜つまらん大賞」は結局発表されずじまい。
世の中には純真で、中吊り広告や目次をみて、"そうか、「あ〜つまらん大賞」を受賞するのはどのドラマだろう"とワクワクドキドキして320円払った人もいるかもしれないじゃないか?こういうタイトルは「偽装」にならないのかね?


それでもこういう人が、マスメディアの中で簡単便利なライターとしてちょこちょこと仕事をこなし、それが数年も続くうちにいつしか大物になってしまうのかもしれない。才能があるから仕事がたくさんあるんじゃなくて、仕事をたくさんしているから一流だ、という本末転倒したビッグネームは、文筆業に限らず、世の中にはたくさんいるもんなあ。
この人も2010年ぐらいになると倉田真由美の後釜あたりに収まっている可能性は十分にあるのだ。くはばらくはばら…。