なにもこわくない

昨日、仕事の途中で蕨駅前のコンビニに入ったら、なつかしの"WON'T BE LONG"が流れていました。
もちろん唄っているのはバブルガム・ブラザーズではなく、EXILE倖田來未版なんですが…。

WON'T BE LONG(DVD付)

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倖田來未は好きでも嫌いでもなく、EXILEは嫌いです。


EXILEはほんとにただのカラオケがうまいだけのお兄ちゃんで金を払って聴く物じゃないと思っていて、かつ楽曲がプロなら誰でも作れる「いい歌」から一歩も出ていないのが腹立たしい。


でも、かかってたんでしかたなく聴いてたんですが、凄い気になったのが「なにもこわくない」のところ。オリジナルが「なにもーこわくないいー」と唄うんですが、「なにもー、こわくな(ぁ)ーい」と唄ってるのは日本語の乗せ方として退歩してないですか?
この21世紀にリメイクするのであれば、リズムの刻みを細かくして、「なっにもーこ・(わく)・ないいいー」になるんなら納得できるんですけどね。
オリジナリティっていうのはそう簡単に手に入る物でないのは分かるんですが、せめて批評性がなければ新しく作る必要がないと思います。


例えば、氷川きよしが他の演歌の歌手と違うのは、本人の「つもり」はどうあれ、その唄い方が演歌に対する「批評」になっているんです。メタ演歌。


テレビで唄っている所をみてると分かりますが、彼は演歌のざっくりしたリズムの中で2倍か4倍で刻んで唄っています。それが演歌に対する現代っ子からの批評に他ならないと感じられるんで、イライラせずに聴いていられるんです。最近、北島三郎にくっついて出てくる微妙に名前が似ている兄ちゃんがいますが、彼はそういうセンスが全く感じられず、二番煎じにすらなっていません。


また、作曲する人もどういうつもりか知りませんが、氷川きよしを通して「戦後の昭和歌謡史」をやっています。
箱根八里の半次郎」は三波春夫橋幸夫の股旅物のパロディですし、「白雲の城」は三橋美智也の「古城」のリメイクですよね。他の曲も同様で、歌謡曲の必勝パターンをわざとなぞってみせているとしか思えません。少なくともEXILEよりは何倍も面白いです。