「辛口」評隣家が跋扈している話

昨日の午後、青森に行く新幹線の中で、なぜか日曜日に買えた「週刊朝日」を読んでいるという話を書きました。折しもワールドカップ勝戦も今朝やってましたね。
http://opendoors.asahi.com/data/image/00007502_c_syukan20060721.jpg
青森、ワールドカップ週刊朝日と並べるとナンシー関のことを思い出します。
彼女がタクシーの中で突然死んでしまったのは、4年前の日韓共催ワールドカップ開幕寸前のことでした。ワールドカップにうかれる日本を見たくないと書きながら、ホントにワールドカップを見ずに死んでしまいました。
当時、週刊朝日週刊文春に連載を持っていたこともあって、両誌とも追悼記事を載せていました。もうとっくに捨ててしまって今から参照することもできませんが、どちらかの記事で誰かが(大月隆寛ではないかと記憶しているが、違うかもしれない)、これからはナンシー関をぬるくしたようなTV批評家がマスメディアで跋扈するだろう、と書いていました。
その人、ピンポーン!


今週(先週もですが)の週刊朝日には今井舞という名前は女性っぽいですが文章は男性っぽい人が5ページももらって「2006年話題のあのヒトこのヒトを100人斬り」しています。先週からの2週連続なので10ページで100人。で、これがどうもいけてない!


もともと週刊朝日にしても週刊文春にしても、ナンシー関亡き後、テレビ批評orタレント批評のコーナーは人を代えて続けていて、週刊朝日だと今は倉田真由美小倉千加子が連載を持っています。倉田真由美は体質なのか自分も出る側からなのか甘口ほめ殺し路線ですし、小倉千加子は一刀両断!ですが基本がフェミニズムの人で批評の観点が決まっているので、今更素人が「それはちょっと…」とか口を挟んでも打ち負かされて取り込まれるか、こっちが譲らなけらば平行線かの二者択一でしょう。本人がエンターテインメントとして書いているつもりなのかも分かりませんし。


で、この今井舞さん(のこいのこみたいな名前だ。もちろん変名だろう)はこれといってガチガチの評価軸は持って無さそうなんですが、先週の編集によるアオリでは当代一の辛口評論家なんだそうです。
読んでみると確かに悪口にはなっているんですが、A氏を批判する時に引き合いに出すB氏の選択がちょっとおかしい。それとCという現象が起きている今、いちばん影響(良いor悪い)を受けているのはD氏だろう、という見立ての時のD氏の選択もちょっとおかしいです。


例を挙げましょう。

松浦亜弥
笑顔をつくる筋肉の動きが、往年の榊原郁恵と似てきた。醸し出すお色気の「お」の部分もそっくりだ。

レトリックとしては面白い。でもホントか?
良くも悪くも榊原郁恵の方が笑顔にしろほかの表情にしろ、ずっと天然だったでしょう?松浦亜弥の表情作りは訓練とか運動神経などとともに語られるべきで、口角の上げ具合にしろものすごい神経を使って作られています。榊原郁恵の「筋肉の動かし方」はレベル的には「チーズ」とかそういうものだったと思う。ちなみに「お色気」についても(これは個人的な好みの問題もあるとは思うが)、「往年の」榊原郁恵全盛時、私は箸が転んでも勃起するお年頃でしたが、ただただ健康優良児的にぱつんぱつんだった榊原郁恵はおかずになりませんでした。松浦亜弥を見てると、今の中高生がうらやましいですけどね。

あと、

西川史子
ウリは「鼻持ちならない言動」と「女医」。セレブ美容外科医の娘誘拐事件のあと、いちばんアオリを食ったのは、間違いなく彼女だろう。

そーおかーあ?
「セレブ美容外科医」の事件で初めてあの家族を知った中年親父から言わせていただくと、気になるのは唯一「それであの鼻?」ってところだけで、それはあの女医さん一人で収束してるんですけど。
「整形ってやっぱりわかっちゃうんだ」とか思われるってのは他の整形外科医たちも同じだし、この件に「いちばんアオリを食」った西川史子、と繋げるのは乱暴でしょう。最初の一文は間違ってないけど、テレビで1回見れば誰でも思うことだしさあ。
蛇足ですが、「町に二人しか床屋がいない時は、変な髪形の床屋の方に行け」の理論でいけばセレブ美容外科医さんも別に傷ついてない、ともいえます。


最後にもう一例

オシム監督
いくらなんでも、ちょっとおじいさん過ぎないか。次のW杯まであと4年。長い。65歳の彼にとってはなおさらだ。

うん。私もそう思う。だがオシム監督のことを今回ニュースや新聞で知った日本人の、3000万人位は同じように思ってると思う。このネタはもう少し寝かせておいて、代表監督を実際に始めて少し経ってから、何かの折りに「でも、おじいさんだから…」とやるべきじゃないか?「裸の王様」に出てくる子どもじゃないんだから、今見えたことをすぐそのまま書いちゃいけないと思う。お金もらうんだから。


そんなわけで今井舞さんはもっと辛口業の修行するべきだと思う。
消しゴムなんか彫ってみたら良いんじゃないかな。あ、これだとただの嫌みになるので似顔絵とか写真でもいいし、なんなら純文学を書いてみるとか。
ナンシー関は消しゴムで似顔絵を彫る為にテレビを凝視しているうちにいろいろ見えるようになったんですから。なにか自分の表現を突き詰めていって、そこで自分が何物かになる中で見えてきた物を書けば、きっと一流になれますよ…。
最近、マスコミ業界には今井さんにこういう助言をしてくれる人はいないんじゃないですか?いちいち本物を育ててたら効率悪いもんね!