ReadMで読むものは…

PDAの達人たちのブログと、そのリンクを辿っていくと、いろいろなものにぶち当たります。
火曜日の夜、休みだったこともあって久々にゆっくりPDA関連のリンクをたどっていたところ、702NKで本を読むという話にぶつかりました。「マイカデジタルbook通信!第4回」です。
早速"ReadM"をダウンロードして、フォントと文字コードを設定すると、とりあえず保存されているメールがリストにずらりと並びました。これでは読みたいテキストに辿り着くのが大変なので、Libraryフォルダをカード内に作り、そこを参照するように設定し直しました。
さて、何を読もうかな、と考えて「青空文庫」に行き、評論を一本落とし、それだけだと寂しいので、畑仲哲雄氏の「スレイヴ」のサイトに行って、TXT版をダウンロードして入れました。
「スレイヴ」はご存じの方も多いと思いますが、著作権フリーの小説として、ネットで自由にダウンロードして読むことができます。また、配布も改変も制限されていません。気に入ったら印税の代わりにいくらでも作者に送金してください、という不思議な小説(ドネーション・ソフトウェア)です。タイトルの「スレイヴ」というのは、作中に出てくるHP100(200?)LXをモデルにしたと思われる、DOSベースの小型コンピュータの名前です。二つ折りでキーボードがあり、キーボードの上部にはアプリケーション起動用のボタンが並んでいます。モデムを内蔵しており、単体でパソコン通信も可能。しかもMS-DOS互換OSであるマネドスをはじめ、各種アプリケーションまで、すべてがフリーソフトで、コピーし放題なものという設定になっています。

スレイヴ―パソコン音痴のカメイ課長が電脳作家になる物語

スレイヴ―パソコン音痴のカメイ課長が電脳作家になる物語

シグマリオンは「スレイヴ」ほどはストイックな機械ではありませんが、サイズやアプリケーションボタンの存在などは似ているものでしょうね(兄貴分に当たる初代モバイル・ギアなんかはそのものでしたね)。主人公は私と同年代(40歳前後)の中小食品メーカーの課長で、せっかく一戸建ての我が家を持ったにも関わらず、妻と娘のせいで自分の書斎が作ってもらえなかった、という理由で「スレイヴ」を購入し、マスコミで活躍する、大学の同級生の鼻をあかすような作品を書こうと「スレイヴ」を使っていくうちに事件に巻き込まれていく、という話になっています。
私は今、1Kの賃貸マンションに住んでいます。この部屋全部が書斎であると言い張ることもできますが、ビジネスホテルのようにベッドの占有率が大きく、実際には座って文章を書くような環境にはなっていません。いきおい、文章書きは電車の座席だったり、前に書いたミスタードーナツのカウンターだったりしています。そうした意味ではシグマリオンは僕にとっての動く書斎であり、この「書斎」感はPalmシリーズにはあまり感じられなかったものでもあります。