オリコン・アンケートで思うこと

実は、この半年くらい、オリコンのアンケートに登録してあって、月に何度か発売間近の楽曲やアルバムについてのアンケートがメールで届きます。もともと音楽は、聴くのも作るのも趣味だったし、こういうことで音楽情報に触れておくのも一般教養として良いかと思って。
すると、1度のアンケートで100近い楽曲やアルバムについて「このアーティストを知っているか?」「興味があるか?」「購入する気はあるか?」という質問に答えることになります。で、それを答えながら最近とみに感じること。

  1. アーティスト名なのか曲の名前なのか、よく分からないのが多い
  2. アーティスト名が良く見分けがつかない。これは深刻な問題だが、やたらと日本名のローマ字表記が多くて、誰がケイコやらアイやらルイやら…。しかもたまに"YUKI"とかビッグネームが混じってくるので気が抜けません。とりあえずこれからデビューする人は、ぱっと見分けがつく名前を名乗ってほしいなあ。
  3. 楽曲のタイトルがおざなり!どこかで聞いたようなタイトルが多すぎて、何が本家でどれが洒落なのか、ちょっと変わった風のものでも、だいたい80年代のパロディ真っ盛りの頃にやってたひねり方と同じかそれ未満の出来で、「おおっ」とひざを乗り出すようなものがない。

オリコン・アンケートは、アンケートといいつつ一種のパブリシティなんでしょうが、逆に「今の音楽って、こんなのばっかりなのか…」と暗澹たる気持ちになって、購買意欲がかえって減退します。
ここからはおっさんのグチですが、オフコースの「僕等の時代」という曲で「あなたの時代が終わったわけでなく あなたが僕たちと歩こうとしないだけ」という一節があります。これを書いたときの小田和正は30代前半で、瑞々しいほど若いわけではないが、若い世代の一人として、勝手に老け込んで反動化している上の世代に対して、それじゃだめですよ、と言っているんだ、と私は解釈しています。私も説教臭いオヤジにはなるまい、と日々自重して、間違っても「日本人は演歌だよ」などとは発言しないようにしていますが、40歳をすぎて今、こういう音楽の状況を見聞きしてしまうと、日本の音楽にはついて行かれないなあ、と思います。
マーケットが縮小している、深刻だ、と言っているのにもかかわらず、供給する商品が変に聴く層、購入する層をセグメントしてしまって、「国民的ヒット曲」が生まれる土壌を育てていない。挙げ句の果てに「みんながコピーするから売れないんだ、コピーガードCDだ」と自分で買ったCDをポータブル・オーディオにダビングもできない、くだらない規格を作って、数年でまたやめたりしています(大馬鹿)。某大物女性アーティストなんて、どの面下げて今更シリコン・オーディオのCMキャラクターやってるんだ、と思います(あ、筆がすべりました。御免!)これは、個々のアーティストの好き嫌いや未熟さの問題(当然、若いときにだけ響くものがあっても良いんです!)ではなく、レコード業界全体に、「なんとかせぇ」と言いたい気持ちです。俺らにもCD買わせろ!