オヤイデ電気のヘッドフォンアンプとオーディオテクニカのインイヤーヘッドフォン

前回紹介したモノマガジンを見ていたら、iPhone用のヘッドフォンアンプというのが結構あることが分かって、それも数千円から数万円までピンきりです。いずれにせよ、iPhoneのイヤフォンジャックから音を出すよりもコネクターからデジタルで出力したほうが音が良くなるだろうことは納得できたので、連休中に秋葉原を散歩した際に、いちばん手頃なものを買ってみました。

FiiOというのはよく知らないブランドですが、なんと社名はオヤイデ電気じゃないですか!あの、長岡鉄男の著書などでもみかけた電源コードのオヤイデ?それだけでなんか良い物のように思えるから不思議です。
早速、半年前から愛用しているURBANEARSのイヤフォンを挿して使ってみましたが、音の善し悪しはあまりわからず。もともとURBANEARSがとても癖の強いイヤフォンなので、もう少しデリケートなタイプを使ってみないと効果がわかりづらいようです。しかも、ヘッドフォン自身のコードが1.2Mあるので、余ったコードを結んで聴くのもなんか鬱陶しい。
また、ヘッドフォンアンプ自身にリモコンが付いているので、イヤフォンに付いているスイッチも無用になりました。


なんて理由ができたので、今度はヘッドフォンを探しに行きました。
あまりまじめにヘッドフォンのことを考えたことはなかったのですが、最近は携帯音楽プレーヤー用のイヤフォンでもダイナミック型だけでなく、BA型(なにそれ?)とか低音用と高音用の2つのユニットを持ったものなど、贅沢を言えばきりがないような状況になっているようです(その片っ方で1000円未満の普及版も売っている。ていうか、100円ショップにも!)。


京浜東北線で10分くらいで行ける川崎駅のヨドバシカメラ、そこのAVコーナーは休日でもあまり人がおらず(失礼!)、試聴し放題なのでいろいろ試してみました。JVCのツインドライブ式(2WAY)などは音的にもかなり心惹かれたんですが、カナル型は苦手なのでパス。となると、意外と選択肢がありません。
日を改めて秋葉原ヨドバシカメラに行ってみると、見慣れない耳フックが付いたインイヤータイプを発見しました。

audio-technica EARSUIT イヤホン ブラック ATH-EC707

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8000円近い売価はちょっと贅沢ですが、見るからに繊細なルックスでおそらくURBANEARSとはきっぱりと性格が違いそうですし、リモコンスイッチもハンズフリー用のマイクも無く、しかもコードが60cm+延長コード60cmと分かれているのもオヤイデ・ヘッドフォンアンプとの併用にぴったりに思われました。
どんなものなんだろうと、その場でiPhoneで検索してオーディオテクニカのサイトを見てみると、発売からはちょっと時間が立っているものの、定価は12000円くらいするものらしいです。てことはかなり安くなっているわけで、これは掘り出し物かもと思ってさっさと購入してしまいました。


さて、実際に1週間ほど使ってみての感想です。

  1. 音はルックス通り繊細です。ロックでも問題はありませんが、どちらかというとアンプラグドな音楽のほうが良さがわかります。上原ひろみのピアノ、なんかとても良いです。ピアノの音よりも周りのドラムとかベースの質感がリアルです。ヘッドフォンアンプの効果もなんとなく上がったような気がします。
  2. カナル型じゃないので、遮音性は低いです。でも逆に自然で開放感があります。密閉性の高いヘッドフォンにありがちな、脳みその中で音楽がなっているような感じがあまりなく聴き疲れしにくいです。
  3. メガネと耳フックの干渉はあまり気になりません。おかげで開放感を保ちつつもズレが抑えられ、私は快適。
  4. ちょっと立派なキャリングケースが付いているので、延長コードを家に置いておけば、代わりにオヤイデ・ヘッドホンアンプを収納して書類鞄に入れて持ち運べます(ほんの少しキツイけど)。
  5. ヘッドフォンアンプの使用によるiPhoneのバッテリーの影響については、そのことによって減りが早くなった感じはしません(iPhoneの場合、それ以外の要因による減りの方が大きいからw)。


半月使ってみての追加。
オヤイデのヘッドフォンアンプは、おそらく音には貢献していると思います。しかし、小規模メーカーならではの比較的分かりやすい欠点が2つあります。

  1. リモコン部分にクリップが付いていて、シャツのポケットなどに留められるようになっているんですが、操作が終わった後でクリップを使おうと思うと、リモコンボタンに干渉して意図しない操作(停止とか曲送りとか)をしていしまい、「キーッ」となりがちです。
  2. iPhoneドックコネクタには、ストラップのようにボタンを押さないとリリースしないものもあるのに、このヘッドフォンアンプはただ抜き差しできるタイプなので、抜けやすいです。薄手の革ケース等を使っているとさらに不安定になります。なぜロックできるタイプを採用しなかったのでしょうか?なにかの安全性配慮?