逆風の中で?

福田さんが辞めるそうですね。
平成ガメラシリーズで本田博太郎がやってた官僚」みたいなキャラクターは、結構可愛いところがあるんだが、最後は坊主憎けりゃみたいになんでも批判されてたのがちょっと気の毒でしたね。
「せいぜい頑張ってください」はオリンピック選手の年代には通じない言葉かもしれないけれど、「精々」という言葉の第一義は「一所懸命」なんで、別に変なことを言っているわけではなかった。トーキング・ブルースとか言って、言葉の専門家の様な顔をしている有名キャスターも尻馬に乗って批判していましたが、「この場合は、一所懸命頑張れという意味で言ったんでしょうが、ちょっと今の若い人には伝わりにくいですよね」となぜ丁寧に批評しなかったのか?この辺の付和雷同ぶり、薄っぺらさによって、古館伊知郎は自分の言葉の浸透力を無くしてしまったように思う。
ま、政治家として支持していたわけではないので、辞任自体はどっちでも良いんですが…。


iPhoneも批判が多いですね。
そのほとんどは、「従来の携帯電話と違う」というところから来ていて、そのソースも想像がつくような気がします。また、善良な消費者からの、iPhoneというものの考え方に馴染めずに、買ったのは良いが後悔していたり、買おうと思ったがあまりにも今までの携帯と違うので購入を止めたり、という声がネットでも渦を巻いています。


はっきり言って、普通の携帯電話のコンテンツや機能(おサイフ、とかワンセグとか、デコメールとか)に愛着がある人には全然合わないと思います。
私は元々携帯メールのやりとりは嫌いだし(やらないわけにはいかないので、携帯でもメールしますけど)、携帯サイトもほとんど見なかったし、iPhone導入に当たって失うものがほとんどなかったのが幸いしています。
スケジュールとアドレス帳とTODO*1がパソコンと共有できて、写真が撮れて音楽が聴ける。アプリケーションを追加することで好きな機能を拡張できる。そういう仕様はとても自由だし、iPhoneは私が欲しいものを十分に持っています。


改良して欲しいところもあります。
一つは日本語入力。少し長いメールを書こうとすると、変換スピードがどんどん遅くなり、しまいにメーラーが強制終了になる。予測変換の候補が変、など。今からでもATOKPOBOXを搭載して欲しいです。
もう一つはコピー&ペーストを基本のソフト全てに標準で使えるようにして欲しい。せっかくの電子機器なのに、一度入力したものを毎回一から入力するのは不合理です。
三つめは、全文検索できるアプリケーションが出てきて欲しい。この手のソフトはすぐにも発表されると思っていたのですが、なぜか出てきません(寡聞にして私が知らないだけかもしれませんが)。それがあればPalmで出来たことはほとんど出来てしまうんですが…。
また、固まってにっちもさっちもいかなくなってしまうところなど、有事の際には頼りにならない感じがします。もっともNokiaSymbian携帯も結構フリーズはしました。頻度は両者引き分けくらいだと思う。


とはいえ、通信が出来るPDAでOSがWindows Mobileじゃないもの、というのは私がこの日記を書き始めたころからずっと夢想していたもので、それはSymbianOSを搭載するNokia製携帯電話でもかなり高いレベルで実現されていました(とくに705NKは、従来の携帯向けサービスも使えるスマートフォンとして、非常に使いやすいです)。iPhoneと携帯電話のギャップが気になる方は、ここで留まるのが賢明です。


では、iPhoneとはなにものなのかというと、16GBという携帯端末としては超巨大なストレージを内蔵し、画面が広大でPCよりも操作性の良い写真ビューワというハードウェアであり、そこまでは"iPod touch"もいっしょです。私は6月7日のこの日記で「iPhoneは見送って、iPod touchを買った方が良いかな」と書きました。その方がリスクはうんと低いし、冷静な対応と言えます。
では何故、今、iPod touchじゃなくてiPhoneを持っているのか、というとiPhoneが見せてくれる未来みたいなものに反応したからです。


iPhoneはハードウェアとしてはiPod touchに電話とカメラが付いたものです。それによって、何になっているかというと、キャリアの電波が届くところであれば、当然「電話」であると同時に、「WEBカメラ*2」であり「Googleマップ」であり「クラウド・コンピューティングの端末」です。


確かに「ドキュメントの編集」に関してはほぼ無力という段階ではありますが、例の拡大縮小が自在な画面操作により「ドキュメントビューワ」としてはこのサイズで十分実用になります。この点についてはPalmよりもシグマリオンよりも優れています。
メールの添付ファイルやGoogleドキュメントにアップロードされたA4サイズの書面の、1ページを表示して中身が見られるビューワなんて、今までありませんでしたから。そして、本格的なエクセルの編集をするなら、どのみちPCを立ち上げざるを得ないのですから、携帯端末でやるべきことは実用上ここまでであり、それがiPhoneでは実現されています。そしてiTSとの連携によりどこでもコンテンツが購入できる(音楽については無線LAN経由しないといけないようですが)という強力な暇つぶし機能がついています。


そこに未来を見られる人はiPhoneを買ってみたら良いと思います。私には見えました。最低でも電話とiPodとしては問題なく使えますからね。あとはJR東海のエクスプレスカードの予約画面がスマートフォン対応版になってくれれば、業務上もなんの支障もないんですが。

*1:TODOは、別に専用のアプリケーションが必要ですが

*2:生中継は難しいが、撮った写真をすぐアップロードできるという意味で