サラリーマンは今

一昨日は帰りの電車で飲み過ぎて轟沈。昨日はその後遺症&割と遅くまで仕事してたので帰ってすぐに寝てしまったので更新が出来ませんでした。で、また今日は代休です。


サラリーマンじゃない人にも分かりやすいように「代休」と書いていますが、社内的には振替休日です。
だから、当然「代休+休日出勤手当」をもらっているわけではなく、単純に休みをずらして取っているわけです。
詳しくはこちらなど参照してください。


それでも、弊社は中小企業の中では良心的な方みたいです。
今回の出張中に一緒だった他の企業の方と話をしていたら、「うちはそんなのないです。休みに会議があるときも休日出勤扱いにならず、振替休日などとんでもない」という話だそうで。
「でも、今日みたいに休日出勤で出張中に、事故にあったらどうするんですか?労災とかいろいろ問題になるでしょ?」
「だから出勤簿がタイムカードじゃなくて月末申告制になったんです。もし何かあったら後から出勤してたことにする」
実際、先日も同じ取引先に出入りしている営業担当者が休日出勤中にちょっとした自動車事故を起こしていましたが、あそこの会社は大丈夫かな…。


日本のサラリーマンは、違う立場の人から見れば、誰も同じような格好をして判で押したように9時から5時まで働き、有給はあるし年金や各種保険は会社がやってくれるし、とお気楽に見えるかもしれませんが、民間で働く以上、額面通りに待遇される保証はありません。私も有給休暇なんて「ああ、そんな制度もあったなあ」という感じですし、年収の2〜3割を占めると思われるボーナスは、状況によってどうなるか分かりません。


私の父は、高度成長期に従業員2000人程度の比較的大きな上場企業(しかも組合がしっかりしている)にいて、上に書いたような典型的なサラリーマン生活を送り、早めにリタイアしてしまったので、私が会社に入った頃は、「お前の会社はおかしい(労働時間が長過ぎるとか、売れ残った商品を社販で買わせるとか、賃金規定が古いとか…詳細略)」とずいぶん云われました。でも、そんな父の会社はその後買収だか合併だかで名前が無くなってしまいました。
今生き残っている会社で、厚生労働省からほめてもらえるような会社は無いでしょうね。特に最近は有名企業の幹部ほど超長時間労働をしています。


上を見たらきりがないが、下には下がある。お相撲さんなんてのは、一部の成功者は社会的にも金銭的にもたいした物なんでしょうが、新弟子時代の、給料ももらえず毎日竹刀でたたかれるのを「労働条件」と考えたら最低の職場です。あれは自分の夢があるからできるんでしょう。お相撲さんまでいかなくても、「職人」の世界なんてのは厚労省的にはとんでもない「条件」で回っているんでしょうし*1


ここ何年かで日本人はすっかり資本主義が板につきました。今の若い社員はとりあえずよく働き、自分の給料明細を細かくチェックし、冗談はあまり通じない、という人が多くなりました。
父が働いていた頃の日本は、今思えばかなり理想的にコトが進んだ社会主義国でした。今日、例に挙げたような「労働条件」を唯々諾々と受け入れて淡々と働く会社員は、昔なら労働組合から総スカンを食いそうなもんですが、今それを糾弾するような人はおらず、「甘えたことを云って会社に利益をもたらせない人はいなくていいよ」という考えが労働者間でもしっかり共有されています。これは進歩なのか退歩なのか?


これから選挙をする場合、まず「この考えでこれから行きますよ」という根本の哲学を選択するものにならなければいけないと思うんですが、最近はそういうことで論争にすると「神学論争だ」と田原さんに怒られてしまうから「哲学」はダメで、「消費税を何%にするか」とか云わないといけないみたいです。私は切実に困ってない(どっちの哲学でもそれなりに合わせられると思う)んで、まあどっちでも良いんですが、他の人もどっちでも良いんですよね。
って、朝から長文だなあ。

*1:うっかりすると命を落としかねない仕事では、新人がうっかりしないように体で覚えさせることもあるでしょうね。