80年代がじわじわと

最近、テレビとか視ていると、80年代の亡霊みたいなものをちらちらと見かけます。
ちょっと前からAMラジオの世界では、番組の合間にかかる曲とかに見え隠れしていましたが、今年になってテレビの中にもかつてのバブル崩壊前の文化がじわじわと復活しているように思います。
マスメディアや広告代理店の世界では、本格的に景気が良くなっていて、好景気とくれば80年代後半のセンスをここらでなぞってやろう、と思うんでしょうか。


例を挙げれば、そうですね、小泉今日子DAKARAのCMなんてのはどうでしょうか?

じょびじょばあーの「ばあー」の神経を逆撫でする感じが昔のコイズミ流で、80年代当時もこの人はトップアイドルであるにも関わらず、魚拓とかレントゲン写真とか、口からだぁー、とか玄人受けするためなら結構なんでもやってくれる人でした。
最近、山崎努バージョンばかり流れますが、評判が悪かったのでしょうか?この10年来の不況のせいで日本人はちょっと真面目になってますからね。


この辺のキツいシャレを「面白い」で通すのは80年代に若かった世代(まあ、ざっくり60年代生まれでしょうね)の特徴で、これが70年代生まれになると意外とシャレが通じないんです。中野翠も90年代の若者より80年代の若者の方がユーモアのセンスが良かったとなにかで書いてますし。
もっとも、私から見てもこのCMはさすがの小泉今日子ももう昔のキョンキョンではない、というところに端を発するズレが気持ち悪いってのはあるんですけど…。


私ら60年代生まれっていうのを考えると、親は戦争は知っているけど兵隊には行ってない。戦後ある程度復興が終わってから社会人になり、石原裕次郎植木等の映画を横目に高度成長による物質文明を消費者として享受してきた世代の子どもというわけです。2代続けて苦労知らずなのかもしれません(一部の地域出身の親世代は大空襲だの原爆だので子どもながらにひどい目に会ってる人もいると思いますが、我が家のような農村出身者はあまりリアルな戦争体験を持っていないようです)。
ま、その結果私の同年代には宮崎勤とか新潟女児監禁の佐藤某とか大阪の宅間守とかろくなやつがいないわけですが…。