早まったか?"Microsoft Windows RT Surface"の購入

プライベートでは快適な使い心地と連携をもたらしてくれるiPadMacですが、なにせ会社で使っているメインマシンがWindowsXPということで、仕事で使うときにはやや不便を感じます。

iCloud経由で写真を共有しようにも、共有ソフト自体がXPをフォローしてくれません。

単純なOfficeのファイルはiPadの互換ソフト(たとえばiWork)で閲覧・編集が可能ですが、マクロが組まれたExcelのファイルが開けない、パワーポイントで作成したプレゼンが微妙に文字化けする、などの不具合はなかなかうまく解消できません。

そんな中、いよいよWindows RTを搭載したSurfaceが3月中旬に発売されました。
最初は見るだけ、のつもりでしたが、Office RTの互換性がかなり高いということを聞いて、しかも店頭在庫もしっかりあったので64GBモデルを衝動買いしてきました。
これで、出先で受信したメールにマクロを組んだExcelファイルが添付されようが、会社のPCでギリギリまで編集したパワポのプレゼンを立ち上げようが怖いものなし、はっはっは、という気分で。

さて、そんなにうまくいくものでしょうか?

アップル製品ほどではないが、ちょっとは考えるようになった包装。

例の薄いキーボードカバー付きを買ったので、本体のパッケージの下に同梱されています。

さて、出してみてLogicoolのキーボードカバーをかぶせたiPadと比較してみました。

薄さはなかなかのものです。

横から見た姿がどうも美しくないつっかい棒機構。

立ち上げると、ロック画面が立ち上がり、下から指でめくるような動作をするとログイン画面になり、ログインすると「メトロ」と呼ばれるランチャー画面になります。

キーボードカバーは思ったより実用的ですが、エンターキーが遠くにあるので、身長176cmなりの標準的な手の大きさの私でもちょっと押しづらいです。


購入して約2週間が経ち、そろそろ仕事でも使おうかと思っていますが、「8」はどうか分かりませんが、Windows RTについてはまだまだ課題山積み、という感じがします。


もともとお仕事持ち出しマシンとして買ったので、要求レベルは決して高くしていないつもりですが、現段階では残念なことが多いです。(なお、いちばんの懸案だった「マクロ付きExcelファイル」は、「マクロは動かないけれど」閲覧とデータ編集は可能です)

  1. せっかく64GBのストレージ(ユーザーが自由に使えるのは40数ギガでしょうか)がありながら、母艦とRTの間でファイルを同期してくれる仕組みが今のところない。
    • Dropboxがアプリとして提供されていない、MicrosoftのSkyDrive、SugarSyncはアプリが提供されていますが、オンラインで閲覧・編集ができるだけで、Surfaceのストレージに自動で同期してくれません。つまりネットに繋がっていないと閲覧・編集・保存ができません。オフラインで使いたいファイルは事前に手動でダウンロードして保存しておく必要があります。
  2. 仕事のネタ帳にもなっているEvernoteがうまく参照できない
    • "Evernote Touch"というアプリが提供されていますが、現時点ではまったく使い物になりません。最初は同期が途中で止まる、という状態でしたが、ここ1週間は立ち上がることすらないというベータ版未満の出来映え。全然ダメ。
  3. Outlookアカウント以外、連絡先を共有する方法がない。
    • カレンダーと連絡先をGmailで管理していますが、それと同期してくれるアプリがありません。プレインストールされているカレンダーにはGoogle Calendarと同期する設定がありました。しかし実際に設定すると無効アカウントよばわりされます。先日、カレンダーアプリのアップデートがあったので、「やれやれ、修正されたか」と思って更新したら、Google Calendarとの設定がメニューから削除されていたという笑い話のような改良がされていました。

これらの欠点は高速ネット通信が安定して期待できる場所ではあまり気にならないかもしれません。
たとえばGmailGoogle Calendarなどにブラウザでアクセスすれば良い。

しかし、実際にはそのような環境は自宅と職場にしかないわけで、例えば飲食店やJR東海で提供される無線LANサービスにすべて加入した上に、そのサービスが常に満足の行く通信品質を保証してくれるのか?あるいはモバイルルーターを常時フル稼働させっぱなしで1日仕事ができるのか?

残念ながら、今のところは環境の良い時に必要な情報をストレージに同期し、オフラインで作業をして、また自宅や職場で母艦に戻す、ということがスムーズにできないとストレスがたまります。


ハードとしての出来は(個人的に「つっかい棒」が気になること以外は)悪く無いので、致命的とは言えないと思うのですが、Microsoft本体およびアプリ供給各社ががんばってソフト面をよほど精力的に改良していただかないと、ただのパワポ再生用マシンとしてしか使い道が無くなりそうです(あ、「自宅のベッドサイドテーブルで自立してくれる"Hulu"再生マシン」としては優秀ですわ)。

私自身は、ゆくゆくは今一緒に持ち歩いているiPad(今の状態ではSurfaceだけ持ってでかけるなんてできない)を、次期モデルチェンジでminiに買い替え、それでテザリングして仕事はSurface、個人の情報と楽しみはiPad miniという環境にしたいと思っていますが、現時点での満足感は非常に低いです。